出版社内容情報
本巻においてエーは,自らの理論的枠組みを梃子にして,主に独仏の精神医学体系を縦横無尽にまた精細に論じている。その結果,エーの観点による19世紀以降の精神医学のパノラマが展開されてゆく。
全巻のうちでも,「精神病と神経症における幻覚」という最も日常臨床的な内容を扱った本巻では,壮大なエイの理論が比較的分かりやすく表現されていると言える。幻覚現象は高い頻度で分裂病者に見られるものである。エイは,幻覚が妄想の中に統合されてゆく過程を詳細に述べ,精神疾患の現実性を明らかにする。
アンリ・エー[アンリエー]
宮本 忠雄[ミヤモトタダオ]
小見山 実[コミヤマミノル]
新谷 昌宏[シンタニ マサヒロ]