目次
第1章 はじめに〈傷〉あり
第2章 トラウマ・逆境体験を〈超える〉治療共同体
第3章 闘争後の闘争―トラウマティックな関係性の再演と回復
第4章 家(イエ)に潜む暴力―家族観の暴力はなぜ起こるのか
第5章 ジェンダーにおける加害者性と被害者性の位相―トラウマティックな関係性の再演から
第6章 児童福祉領域におけるトラウマと支援者支援―“環状島”モデルによるサバイバルガイド
第7章 怒りの表出と行動化
第8章 ファーストクライエントの特定―「問題児」からクライエントへ
第9章 非行少年との出会い
第10章 「あなたは一人じゃない」から「あなたは一人でいい」へ―SNS・関係性依存
第11章 傷つけられた子どもと社会の〈再生〉に向けて
第12章 加害者臨床における責任の所在とトラウマインフォームドケア
第13章 子どもの性被害と性加害
第14章 施設における子どもの性と包括的性教育
第15章 デートDVにみる支援と社会の課題
第16章 性的搾取に遭う若者の理解と支援
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おだまん
13
専門書ではありますが トラウマによって傷つき、回復を必要としているのは個人だけではなく、社会だという理念により、専門書ではありますが、啓蒙的にトラウマについて解説されています。「ケーキの切れない非行少年たち」に出てきそうな子たち。トラウマの分類分け。当時は知らなかったケアの概念ですが、TICというアプローチについて知ることができ、現実はもちろん、いわゆる「ケア」作品の理解の一助ともなりそうです。2026/02/15
ソーシャ
5
トラウマインフォームドケアの第一人者である著者の論考をまとめたアンソロジー。トラウマインフォームドケアを実践していくうえでの難しさや落とし穴について平易な文体で綴られていて、経験がある人なら「これってよくあることなんだ」と感じることができる本です。性被害と性加害の両方の領域で活動されてきた方だけあって、家族関係や親密な関係についての話が多めなのも読み応えがありますね。2025/08/16
brzbb
0
トラウマを受けた被害者が、そのトラウマが原因で加害者になってしまうことがある。トラウマを直視することは苦痛を伴うから、個人も社会も目を背けがちになる。トラウマからの回復には安全・安心な環境が必要だが、社会やコミュニティが安全でなければ、個人のトラウマの回復はままならない。当事者だけでなく、周囲の人間や社会すべての人間がトラウマとその影響について知ることで、社会自体が抱えるトラウマを修復しなければならない。そんな公衆衛生的な考え方がトラウマインフォームドケア(TIC)で、2026/04/07
ちえぞう
0
荻上チキ氏が2025年出版での最高傑作(ここまで言ってたかな?)とオススメしていたので積ん読になってたのを流し読み。トラウマインフォームドケアについての手法を本人へのケアはもちろんのこと、社会も初期発見、予防の観点から理解が必要として知識、そして後半は臨床事例の紹介。愛がないのもダメだけど過干渉も判断、自立の機会を奪うという視点は目からウロコでした。2026/03/30
おさ
0
医療機関などには様々な患者さんやクラアントが来るのでしょうが、まだまだ『周囲からの被害の結果』という視点から観る臨床家は少ないようです。 多くの精神科医や心理士は、受験や学校が最大の関心事という恵まれた家庭で育っているので、それ以外の家庭のことは想像が出来ないようです。 トラウマという視点を加えて関わると、色々なことが視えてきて、どの様に対応すれば良いのかが判ってくるという事が、解りやすく解説された一冊です。 松本卓也さんの『斜め論』(筑摩書房)が好評ですが、その臨床版という感じの一冊でした。2026/03/12
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