内容説明
睡眠は私たちの健康にとって欠かせないものであり、その質は日々の生活に大きな影響を与える。しかし、現代社会では多くの人々が何らかの形で睡眠の問題を抱えており、その原因や影響は多岐にわたることがわかっている。本書では、これらの不眠および睡眠関連問題に対して疾患横断的なアプローチであるTranS‐C(診断横断的睡眠リズム療法)を提唱し、包括的かつ実践的な解決策を提供する。これまで、不眠症に対する認知行動療法は「不眠症」という特定の症状に焦点を当てた治療法として広く活用されてきたが、他の疾患が合併している場合や、不眠症以外の睡眠障害に対しては限界があり、それに代わるアプローチとしてTranS‐Cが開発されることになった。TranS‐CとはTransdiagnostic Sleep and Circadian Interventionの略で、診断横断的(Tran)なアプローチと健康な睡眠(S)、体内時計・概日リズム(C)を組み合わせた名称である。TranS‐Cでは、特定の疾患や症状に縛られず、共通する根本的な要因にアプローチすることで、より広範かつ効果的な解決策が提供できることを強みとしている。「睡眠」に悩みをかかえている人は、このアプローチを実践することで日々の生活の質向上につながるだろう。
目次
第1章 健康的な睡眠を促進する(睡眠の効用;スリープヘルスの枠組み ほか)
第2章 睡眠のアセスメント(睡眠の既往歴に関する臨床面接;睡眠日誌 ほか)
第3章 TranS‐C横断モジュール(ケースフォーミュレーション;睡眠と既日リズムの教育 ほか)
第4章 TranS‐C中核モジュール(規則的な就床時間―起床時間を定着させる;日中機能の改善 ほか)
第5章 TranS‐C追加モジュール(睡眠効率の改善;床上時間(TIB)の短縮 ほか)
付録 クライアント用配布資料
著者等紹介
堀越勝[ホリコシマサル]
武蔵野大学人間科学部客員教授。元国立精神神経医療研究センター認知行動療法センター長。米国のバイオラ大学にて臨床心理学博士を取得、マサチューセッツ州のクリニカル・サイコロジストのライセンスを取得。ハーバード大学医学部精神科においてポストドクターおよび上席研究員として、ケンブリッジ病院の行動医学プログラム、マサチューセッツ総合病院・マクレーン病院の強迫性障害研究所、サイバーメディシン研究所などで臨床と研究をおこなう。2021年に国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センターを退職
羽澄恵[ハズミメグミ]
公認心理師、臨床心理士。2017年、東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース博士課程修了(教育学博士)。現在、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所公共精神健康医療研究部/睡眠・覚醒障害研究部に常勤研究員として勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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