内容説明
本書は、境界性病理に対するカンバーグの理論とアプローチに基づき実証的に開発された転移焦点化精神療法(TFP)の実践マニュアルである。対面で週1~2回で実践されるTFPの治療モデルは現代における力動的精神療法の在り方にマッチしており、本書で詳述されている戦略や戦術は、精神力動的精神療法家にとって有益な指針となりうる。付属するDVDに収録された、カンバーグ、ヨーマンズ本人による貴重な面接のデモンストレーション映像は、すべての臨床家にとって必見の資料である。
目次
第1章 正常と異常なパーソナリティ構造の性質
第2章 転移焦点化精神療法の実証的開発―臨床研究のプロセス
第3章 転移焦点化精神療法の戦略
第4章 アセスメント段階―臨床的評価と治療選択
第5章 治療枠の構築―契約、投薬、補助的治療
第6章 治療技法―刻一刻と変わる状況に合わせた介入と変化のメカニズム
第7章 治療戦術と臨床上の課題
第8章 治療の初期段階―枠のテスト、衝動、コンテインメント、ダイアドの特定
第9章 治療の中盤―退行エピソードを伴う統合に向けた動き
第10章 治療の進展期と終結
第11章 転移焦点化精神療法における変化の軌跡
著者等紹介
妙木浩之[ミョウキヒロユキ]
1987年、上智大学文学院博士課程満期退学。佐賀医科大学助教授、久留米大学教授を経て、東京国際大学人間社会学部教授
鳥越淳一[トリゴエジュンイチ]
2011年、ボストン精神分析大学院(BGSP)博士課程修了。開智国際大学教授、博士(精神分析学)、精神分析家(NAAP)。BGSP国際フェロー。国際TFP協会正会員。早稲田大学文学研究科修士課程を修了後、臨床心理士として医療や教育領域での実務経験を経て渡米。米国ボストンで訓練を受け現代学派の分析家となる。近年はコロンビア大学精神分析訓練研究センター及びTFP‐New Yorkにて転移焦点化精神療法の訓練を受けTFP志向セラピストとして主にパーソナリティ障害の治療と研究に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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