内容説明
心理的応急処置(PFA)は災害などの様々な緊急事態に生じる急性ストレスやトラウマの影響を緩和し、危機にある人が逆境に効果的に対処できるように支援するためのものである。本書は、ラポール形成、アセスメント、トリアージ、苦痛軽減、フォローアップというシンプルな介入プロセスから成るRAPID PFAモデルの実践ガイドであり、ケーススタディを交えたRAPID PFAの具体的な解説から、PFAの概念やトラウマ体験がもたらす心理的影響などの基礎的な内容を含む、メンタルヘルスケアを包括的に学べる書でもある。
目次
第1部 心理的応急処置(PFA) 科学(心理的応急処置(PFA) 定義と歴史
トラウマ体験がもたらす心理的反応 現場で遭遇するもの
災害のあと PFAが求められる大規模な背景)
第2部 PFA 技術の実践(R―ラポールの確立と聞き返し;A―アセスメント ストーリーに耳を傾ける;P―心理的トリアージ 優先順位付け;I―状態を安定させ、急性の苦痛を軽減するための介入戦術;D―締めくくり 継続的ケアを受けやすくする;セルフケア 他者のケアは自らのケアに始まり、自らのケアに終わる)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
横浜中華街2024
12
著者のジョージ・S・エヴァリー博士は心理的応急処置(Psychological First Aid : PFA)、心理的トラウマ、災害メンタルヘルスの分野においてアメリカで著名な人物。ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院やジョンズ・ホプキンス大学医学部で教えている。本書は日本語で読める貴重な PFAの解説書で、メンタルヘルスケアを包括的に学べる書でもある。Courseraの「Psychological First Aid」 の講座は非常に有名で、実は私もそれでこの本のことを知った次第。2024/02/09