内容説明
精神療法に正解などない。人の心に携わる方なら「精神療法をきちんと学びたい」と誰しもが思うだろう。しかし、精神療法において治療者側も患者側も「こうしなければならない」と強迫的になることで、大事な点を見落としてしまうことがあるかもしれない。人には「いい面」も「悪い面」もあり、そのどちらか一方だけという人は存在しない。また精神療法は人間対人間の付き合いであるから両者の相性もある。そのような要因が複雑に絡み合って生まれる結果は十人十色であるが、その中で最善のものを見つけていくために、治療者側はより多くの引き出しを持っておくこと、が必要である。両者の関わりから生まれるもので患者の心の成長が促されるのは明白だ。本書では、理論だけではなく実用的に取り組める治療法を提案していく。
目次
ダメなら別のやり方ができる精神療法家になる
患者体験の意味
スーパーヴァイジー体験とスーパーヴァイザー体験
アメリカの市場原理を勝ち抜いたハインツ・コフート
治療者の強迫を戒める森田療法
高等教育の不備の国での認知療法
甘えられない時代の「甘える勇気づけ」
プラグマティック精神療法の元祖アルフレッド・アドラー
精神療法の副作用
精神療法のゴール〔ほか〕
著者等紹介
和田秀樹[ワダヒデキ]
1960年大阪市生まれ。1985年東京大学医学部卒業。1988年より日本で3つしかない高齢者専門の総合病院、浴風会病院にて精神科医として高齢者の認知症とうつ病の治療の研鑽を積む。その後、地域医療や往診を積極的に行う総合病院・川崎幸病院精神科顧問として高齢者の臨床を続ける。現在、国際医療福祉大学心理学科教授、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。700冊以上の著書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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