内容説明
今日、精神分析のあり方は多様化の一途を辿っているが、その傾向は米国において顕著であると言える。その理由として、米国が世界最多の精神分析家を擁する国であること、さらに精神分析の伝統が深々と根を下ろしていることが挙げられる。本書では、精神分析をめぐる最新の議論を米国の動きに注目しながら紹介しつつ、今後の臨床への応用についても展望していく。
目次
第1部 精神分析理論の新しい地平(関係性理論の発展:新しい地平と批判;精神分析の多様化とセラピー・プロセス;解釈と関係性:無意識的プロセスと知覚的体験をめぐって;逆転移概念の変遷について;現代米国精神分析とウィニコット)
第2部 臨床的ディスカッション(スティーヴン・ミッチェルの症例にみる精神分析技法論;治療者の主観性について;心的外傷と時間:遅刻を繰り返す女性の精神分析的精神療法を通して)
第3部 米国における精神分析の訓練(米国における精神科臨床と精神分析;米国における精神分析的精神療法の訓練;ホワイト研究所における精神分析訓練)
著者等紹介
吾妻壮[アガツマソウ]
1970年宮城県生まれ。1994年東京大学文学部第三類ドイツ語ドイツ文学専修課程卒業。1998年大阪大学医学部医学科卒業。2000~2009年米国アルバート・アインシュタイン医科大学、コロンビア大学精神分析センター、ウィリアム・アランソン・ホワイト研究所留学。2010年~2014年大阪大学精神医学教室。2014年~2019年神戸女学院大学人間科学部教授。国際精神分析協会正会員、日本精神分析協会正会員。現職、上智大学総合人間科学部教授、精神分析プラクティス(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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