出版社内容情報
“発達障害”という言葉は知られるようになっても,その本質が適切に知られているとは言えない。
その特性が理解されないことにより,家庭では育てにくさから「何を考えているか分からない」「可愛くない」子どもと虐待を受けたり,学校では先生の指示が理解できず,「反抗している子ども」と誤解され,注意・叱責され,その意味が理解できず,ますます叱られるうちに,その症状が顕在化,悪化したりすることもある。そのうち,自己評価が低下し,自分の存在感が持てなくなり,心理的に追い込まれることもある。それらは,「からかい」「いじめ」「不登校」「ひきこもり」などにつながることもある。
また,職場では,嫌と言えないため,無理な仕事を引き受けたり,同僚や上司との人間関係で悩み,退社を余儀なくされる場合もある。こうした発達障害を抱えた人たちを支援するためには,障害の早期発見と正しい理解が必要になる。
本書では,発達障害児・者の支援に必要な発達障害の最近の知見と近接領域に関わる状況を,第一線で活躍する執筆者が提示する。
市川 宏伸[イチカワ ヒロノブ]
著・文・その他/編集
内容説明
本書では、発達障害児・者の支援に必要な発達障害の知見と近接領域に関わる状況を、第一線で活躍する執筆者が提示する。
目次
最近の発達障害概念
発達障害と精神疾患
発達障害の早期支援
発達障害のアセスメント
発達障害と療育
発達障害と教育
発達障害と就労
発達障害と虐待・ひきこもり
発達障害者支援の行政(厚生労働省の施策を中心に)に関する動き
発達障害と司法〔ほか〕
著者等紹介
市川宏伸[イチカワヒロノブ]
埼玉県生まれ。1970年東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了、1979年北海道大学医学部卒業、医学博士(東京医科歯科大学)、薬学修士(東京大学)。東京都東村山福祉園医務科長、東京都立梅ケ丘病院院長、東京都立小児総合医療センター顧問を経て、国立発達障害情報・支援センター顧問、(一社)日本児童青年精神医学会監事、(一社)日本発達障害ネットワーク理事長、(一社)日本自閉症協会会長、(NPO)日本自閉症スペクトラム学会会長などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。