内容説明
人間学を欠いた犯罪学は罔く、科学を欠いた犯罪学は殆い。犯罪精神医学の展延と深化の追求のなかで著者が提唱してきた「総合犯罪学」から「統合犯罪学」への道程と、フランス精神病理学の泰斗アンリ・エーの器質・力動論を導きの糸に、犯罪学史・精神医学史の草叢にわけいり、没理論的精神医学の現状に抗して、犯罪学・精神医学の精緻化の鍵とその基盤となる人間学を探索する。有機的に重層する各章を通して、著者の壮大な理論的・実践的構想を垣間見る論集の第二弾。
目次
第1部 犯罪学編(「総合犯罪学」と「統合犯罪学」―統合理論・統合人間学;日本犯罪学会および犯罪学の歴史的研究(日本犯罪学会誕生と犯罪精神医学の先駆者―杉江董;第二期日本犯罪学会と葛藤犯罪学の先駆者―菊地甚一))
第2部 精神医学史編(器質・力動論と有機・精神力動論的人間学;用語「精神医学」をめぐって ほか)
第3部 精神保健編(臨床犯罪学の重要性―地域精神医療のさらなる充実と初犯防止のために/佐世保と名古屋の女子学生による殺人事件に思う;相模原障害者福祉施設大量殺人事件に思う―地域精神医療のさらなる推進と臨床犯罪学、総合犯罪学そして統合犯罪学の展開)
第4部 エッセイ編(先達を偲ぶ;読書の楽しみ ほか)
著者等紹介
影山任佐[カゲヤマジンスケ]
医師・医学博士。昭和23年福島県郡山市にて出生。昭和47年東京医科歯科大学医学部卒業・医師免許取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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