内容説明
本書は、新しくより効果的な精神分析の技法を提示しているわけではない。それよりも精神分析や精神分析的心理療法で起こっていることを、どのように捉えたらよいのか、という問題を論じている本であり、それは人間の人生をどのように捉えるのかという問題と繋がっている。
目次
第1章 精神分析過程における意味と死すべき運命の弁証法
第2章 精神分析理論における死への不安と死すべき運命への適応
第3章 精神分析家の存在の親密でアイロニカルな権威
第4章 分析家の経験の解釈者としての患者
第5章 精神分析状況の社会構成主義的観点に向けて
第6章 精神分析的交流における確信と不確かさ
第7章 表出的な関与と精神分析的な規律
第8章 弁証法的思考と治療作用
第9章 精神分析過程における儀式と自発性
第10章 精神分析における程よい終結を構成する
著者等紹介
ホフマン,アーウィン・Z.[ホフマン,アーウィンZ.] [Hoffman,Irwin Z.]
現在シカゴ精神分析センターおよびNational Training Program for Contemporary Psychoanalysisにおける訓練分析家であり、ニューヨーク大学大学院における精神分析及び精神療法プログラムの非常勤臨床教授であり、またかつてはイリノイ大学医学部精神医学の講師でもあった。Psychoanalytic Dialogues(精神分析的対話)誌の編集委員およびPsychoanalytic Quarterly誌の通信編集員であり、かつて国際精神分析学会誌の理事も務めた。現在シカゴで個人開業をしている。1942年11月3日生まれ
岡野憲一郎[オカノケンイチロウ]
1982年、東京大学医学部卒業、医学博士。1982~85年、東京大学精神科病棟および外来部門にて研修。1986年、パリ、ネッケル病院にフランス政府給費留学生として研修。1987年、渡米、1989~93年、オクラホマ大学精神科レジデント、メニンガー・クリニック精神科レジデント。1994年、ショウニー郡精神衛生センター医長(トピーカ)、カンザスシティー精神分析協会員。2004年4月に帰国、国際医療福祉大学教授。2014年4月より、京都大学大学院教育学研究科教授
小林陵[コバヤシリョウ]
2006年、東京国際大学大学院臨床心理学研究科博士前期課程修了。同年より横浜市立大学附属病院に勤務し、現在まで心理療法や心理検査、復職支援デイケア、緩和ケア等に従事する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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