内容説明
本書は、「ものをためこむ」という問題を持っている方へのワークブックである。ものの整理ができない、という状態は誰にでも起こり得ることである。生活をしていれば必要なモノを購入し、不必要なモノを捨てたり、再利用に回したり、生活空間を維持できるようにするが、「いつかは使うかもしれない」と思い、手放すことが困難になることがある。それがひどくなり、モノに支配されている状態がためこみ症である。当事者は、「誰にも触れてほしくない」「誰にも何も言われたくない」そして「誰もわかってくれない」などの思いや怒り、不安、孤独感などにさらされていることが多い。また、ためこみの状態は、同居している人たちの身体的・心理的・社会的影響、また地域の公衆衛生や生活への安全性への影響も多大である。このような状況への対応は早期発見・早期対応が難しく、今後、モノが増え続けるであろう環境下でさらに重要になってくるだろう。そういった流れもあり、DSM‐5でためこみ症は診断に加えられた。本書では、ためこみ症がどのような状態か、また、その状態を脱却するのにどのような解決法があるか、についてワークをしながら紐解いていく。
目次
はじめに
“ためこみ症”とはどのような状態ですか?
わたしにはためこみの問題があるのでしょうか?
悪玉を理解しましょう
善玉を味方につけましょう―ためこみ状態に打ち勝つための方略
ためこみ状態は、どのように生じたのでしょうか?
動機を高めましょう
モノの入手を減らしましょう
仕分けをして処分しましょう―準備を整えます
仕分けて取り除きます―始めましょう
悪玉がやってきました―part.1 動機と取り組み時間
悪玉がやってきました―part.2 悪玉への対抗
達成した状態を維持しましょう
著者等紹介
坂野雄二[サカノユウジ]
北海道医療大学名誉教授・北海道医療大学心理科学部特任教授。専門は臨床心理学、特に、認知行動療法、不安や抑うつの基礎メカニズムの解明と治療法の効果研究、ストレス関連疾患の治療法の開発と効果研究、健康の維持増進に関連する指導法の開発と効果研究等
五十嵐透子[イガラシトウコ]
上越教育大学大学院臨床心理学コース教授。専門領域は、臨床心理学で、精神力動的アプローチを主としながら、対象の方に合わせて統合的心理療法を行う
土屋垣内晶[ツチヤガイトアキ]
福島県立医科大学医療人育成・支援センター助手。神経精神医学講座、大学健康管理センター兼任。千葉大学子どものこころの発達教育研究センター特任研究員。専門は臨床心理学で、認知行動療法を主としたアプローチを用い、日本ライフオーガナイザー協会CLO(Certified Life Organizer)と臨床ニューロフィードバック協会認定セラピスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 投資の学校