出版社内容情報
治療の現場から提案する新たな心理療法――。複雑・多様化する病理に対し,既成の学派にとらわれない実効的な治療法をまとめた1冊。「プロの臨床家としては,クライエントにもっとも役立つ治療法を選ぶ責任がある」――。著者は,臨床の現場から,最も効果的で実践的な治療のアプローチを提案する。特定の学派・理論に依らず,むしろ,臨床ベースから精神分析,ユング心理学,来談者中心療法などを統合・折衷させながら,クライエントへの実効的な治療の視座と手法を再構成した。「健康な悩み」「神経症的悩み」「病態化のプロセス」など,クライエントの悩みのメカニズムを仔細に分析し,対人恐怖症,ひきこもり,強迫性障害,うつ病,境界性パーソナリティ障害,パニック障害などの各病理に対し,「心理教育的アプローチ」「問題解決的アプローチ」「人生全体を扱うアプローチ」といった3-ステップで独自のセラピー手法を提示。複雑・多様化する病理に対し,既成の学派・理論の限界を感じ,膨大な経験からあらゆる病理に対応できる実践法の確立を試みたもの。「心理療法を学ぶ,あるいは実践するにあたって,プロとして,ここまでは知ってほしい内容を包括的に」まとめた1冊だ。特定の学派や理論から治療の手法を学ぶのでなく,あくまで治療現場から「ボトムアップ式」にまとめることに一貫した「実践家のための実践書」である。
鍋田 恭孝[ナベタ ヤスタカ]
青山渋谷メディカルクリニック名誉院長
医学博士,臨床心理士,
日本精神神経学会認定専門医および指導医,
欧州共同認定サイコセラピスト
日本青年期精神療法学会常任理事(2011年まで理事長),
日本サイコセラピー学会常任理事,日本心身医学会代議員,
日本うつ病学会評議員
内容説明
「心理教育的アプローチ」「問題解決的アプローチ」「人生全体を扱うアプローチ」の3‐ステップで、著者独自のセラピー手法を提示!
目次
総論(現代の心理療法の成立の背景にはどのような経験があったのか;人は何を悩むのか;セラピストの仕事;治療促進因子(therapeutic factor)について
神経科学から見た心理療法)
各論(不登校・ひきこもりの心理療法的アプローチ;対人恐怖症・社交不安障害に対する心理療法的アプローチ;身体醜形障害の心理療法;強迫性障害(Obsessive Compulsive Disorder)の心理療法的アプローチ
うつ病の心理療法
ヒステリー・境界性パーソナリティ障害
パニック障害・嗜癖・心身症など)
著者等紹介
鍋田恭孝[ナベタヤスタカ]
慶応大学医学部卒業、同大学医学部助手、講師をつとめたあと、宇都宮大学保健管理センター助教授、防衛医科大学校精神科講師、大正大学人間学部教授、立教大学現代心理学部教授・青山渋谷メディカルクリニック院長を経て、現在は、青山渋谷メディカルクリニック名誉院長。精神保健指定医、医学博士、臨床心理士、日本精神神経学会認定専門医および認定指導医、欧州共同認定サイコセラピスト。各大学病院では思春期専門外来、心身症専門外来、うつ病専門外来、精神療法専門外来を担当し研究・臨床にあたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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