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出版社内容情報
日本の犯罪被害児・者に対する支援対策は,諸外国に比べて著しく遅れており,重視されるようになったのは90年代後半になってからでした。近年,「児童虐待」に関する取り組みは重点的におこなわれるようになったものの,本書で紹介されているような子どもが遭遇するいじめ,ヘイトクライム,強盗,器物破損,集団暴行,性暴力,死にそうになる体験などについては,被害後の具体的なケアは手探り状態といえるでしょう。
本書は,子どもが被害にあう可能性がある幅広い犯罪とその影響について概観し,被害を受けた子どもが示しやすい一般的なサインと支援の留意点について,わかりやすくまとめられています。
特徴として,子どもに焦点を当てて,いじめや子ども同士の性暴力など,日本ではまだ「子ども同士のトラブル」とみなされやすいことがらを「犯罪」の枠組みでとらえ,それらの「犯罪」に対して大人が関与できる方法を具体的に示しています。また,子どもの犯罪においては,しばしば「被害者」と「加害者」に明確ではありませんが,どちらの側の子どもも支援することで,将来的な非行や犯罪を防ぎ,安心・安全な社会をつくることにつながるという姿勢が貫かれている点が挙げられるでしょう。
子どもの犯罪被害は身近な生活のなかでたくさん起きているにもかかわらず,子どもがだれにも打ち明けられず,潜在化している被害があります。起きているかもしれない子どもの犯罪被害を見つけだし,手を差し伸べる方法が本書で紹介されています。
【著者紹介】
社会福祉士・精神保健福祉士,博士(保健福祉学)久留米大学大学院終了。単科精神科病院勤務ののち,久留米大学医学部付属病院精神神経科外来カウンセリングセンター所属勤務を経て,帝塚山大学心理地域社会福祉学科の講師に着任。現在,武庫川女子大学心理社会福祉学科准教授。主要著書:『サイコロジカル・トラウマ』(分担翻訳,金剛出版,2004),『英国の挑戦-いかにして子どもを虐待から守るのか-』(共著,帝塚山大学出版会,2010),「犯罪被害者とメンタルヘルス」『こころの健康シリーズ?Y 格差社会とメンタルヘルス』(日本精神衛生会,2014)
内容説明
本書は、子どもが被害にあう可能性がある幅広い犯罪とその影響について概観し、被害を受けた子どもが示しやすい一般的なサインと支援の留意点について、わかりやすくまとめられています。子どもの犯罪被害は身近な生活のなかでたくさん起きているにもかかわらず、子どもがだれにも打ち明けられず、潜在化している被害があります。起きているかもしれない子どもの犯罪被害を見つけだし、手を差し伸べる方法が本書で紹介されています。
目次
第1部 「なにが起こったんだろう?」―犯罪とそれによる影響(犯罪とは;間接的被害者あるいは「隠れた傷つき」;犯罪の影響を理解してサインを認識すること)
第2部 「あなたはひとりじゃない」―支援のためのさまざまな手立て(問題として取り上げ、うまく反応すること;アセスメント、守秘義務、通告)
第3部 「これからどうなるの?」―修復的取り組み(修復的アプローチ;加害と被害の重なり;新たな一歩のために)