出版社内容情報
家族と患者の共同治療参加による5ステージの変化を目指す,CRAFTと動機付け面接を駆使した摂食障害治療マニュアル。
〈家族〉が変われば〈患者〉は変わる。そしてそのとき治療者は何をすべきか――
摂食障害はそれを維持する因子も治癒する因子も家族に多くを負っており,変化に向かう患者の歩みを留めるのも進めるのも,患者の家族の積極的な治療参加にかかっている。そのとき治療者は,一切の価値判断を差し控えた純粋な敬意をもって患者に接してその警戒を解き,家族と患者の共同治療参加を促進し,「前考慮期-考慮期-準備期-行動期-維持期」という変化の5ステージに付き従う伴走者となる。そして,家族が変わり患者に思いやりあるケアを与えるときにはじめて,患者は変化へのステップを主体的に選択していく。本書で解説される摂食障害治療プログラムでは,エビデンスに裏打ちされた認知行動療法,家族共同治療ユニットとしての「CRAFT」(コミュニティ強化と家族訓練),変化の技法としての「動機付け面接」が要となって,困難事例であってもその治療を一歩ずつ前進させていく。確かな治療効果が実証された,英国モーズレイ摂食障害ユニット発・摂食障害治療マニュアル決定版。
まえがき
執筆者一覧
序文と謝辞
第?T部 はじめに-摂食障害を患う人の家族と専門家の支援の協力について
第1章 はじめに ジャネット・トレジャー
第2章 摂食障害,そして家族と共に支援に取り組むということ ジャネット・トレジャー+ウルリケ・シュミット
第3章 家族の見方 ヴェロニカ・カマーリング+グレイン・スミス
第4章 摂食障害における家族との共同作業の倫理的・法的裏付け エマ・バルドック
第?U部 理論的土台への導入
第5章 家族が摂食障害になったとき,人はどのように向き合うか ジャネット・トレジャー
第6章 摂食障害の維持因子としての家族のプロセス ジャネット・トレジャー+クリストファー・ウィリアムズ+ウルリケ・シュミット
第7章 健康行動モデルと変化を促進するために用いられるプロセスを理解する ジャネット・トレジャー
第8章 家族の行動を変える ジャネット・トレジャー
第?V部 さまざまな介入法
第9章 外来治療において家族と共同する 家族のアセスメント ジャネット・トレジャー
第10章 書くこと-考える能力と情動プロセスを発達させる方法 ジャネット・トレジャー+ジェナ・ホイットニー
第11章 家族のためのワークショップ ジャネット・トレジャー+アナ・ロサ・セプルベダ+ウェンディ・ウィテカー+ジル・トッド+カロリーナ・ロペス
第12章 入院から外来治療へ移行するために-家族のための3日間集中プログラム ウェンディ・ウィテカー+ジャネット・トレジャー+ジル・トッド
第13章 家族のためのスキル・トレーニング パム・マクドナルド+ミリアム・グローヴァー
第?W部 特別なケース
第14章 摂食障害患者の妊娠・出産・育児 ジャネット・トレジャー+ナディア・ミカーリ+ファブリス・モネイロン
第15章 摂食障害のケアと治療における親の影響と重要性 オリビア・キリアコフ+ジャネット・トレジャー+サイモン・レンカー
第?X部 結論と補遺
第16章 患者の思い-家族の介入について患者がどう思っているかを検討する ジャネット・トレジャー+パム・マクドナルド+リズ・ゴダード
第17章 専門家の見方 ジル・トッド+ウェンディ・ウィテカー+パム・マクドナルド
付録資料1 家族のためのツールキット-摂食障害に対するケアの役割
付録資料2 摂食障害症状インパクトスケール
付録資料3 摂食障害アコモデーション・イネイブリング・スケール
訳者あとがき
索引
訳者略歴
内容説明
摂食障害治療者は、価値判断なき敬意で患者の警戒を解き、家族と患者の共同治療参加を促進し、前考慮期‐考慮期‐準備期‐行動期‐維持期という変化の5ステージに伴走する。そして家族が変わり患者に思いやりあるケアを与えるとき、患者は主体的に変化へのステップを選択していく。エビデンスに裏打ちされた認知行動療法、家族共同治療ユニットとしての「CRAFT」(コミュニティ強化と家族訓練)、変化の技法としての「動機付け面接」を駆使した、英国モーズレイ摂食障害ユニット発・摂食障害治療マニュアル決定版。
目次
第1部 はじめに―摂食障害を患う人の家族と専門家の支援の協力について(摂食障害、そして家族と共に支援に取り組むということ;家族の見方 ほか)
第2部 理論的土台への導入(家族が摂食障害になったとき、人はどのように向き合うか;摂食障害の維持因子としての家族のプロセス ほか)
第3部 さまざまな介入法(外来治療において家族と共同する―家族のアセスメント;書くこと―考える能力と情動プロセスを発達させる方法 ほか)
第4部 特別なケース(摂食障害患者の妊娠・出産・育児;摂食障害のケアと治療における親の影響と重要性)
第5部 結論と補遺(患者の思い―家族の介入について患者がどう思っているかを検討する;専門家の見方)
著者等紹介
トレジャー,ジャネット[トレジャー,ジャネット] [Treasure,Janet]
モーズレイ病院の精神科医で、キングスカレッジ・ロンドンの教授
シュミット,ウルリケ[シュミット,ウルリケ] [Schmidt,Ulrike]
モーズレイ病院のコンサルタント精神科医で、キングスカレッジ・ロンドン精神医学研究所の教授
マクドナルド,パム[マクドナルド,パム] [Macdonald,Pam]
キングスカレッジ・ロンドン精神医学研究所で、博士課程に在学
中里道子[ナカザトミチコ]
精神科医、医学博士。千葉大学医学部卒業、同大学医学部附属病院精神神経科勤務を経て、2005~2007年までロンドン大学精神医学研究所・モーズレイ病院の摂食障害ユニットに留学。現在、千葉大学大学院医学研究院子どものこころの発達研究センターに勤務
友竹正人[トモタケマサヒト]
精神科医、医学博士。徳島大学医学部卒、同大学大学院医学研究科修了。2005~2006年までロンドン大学精神医学研究所・モーズレイ病院の摂食障害ユニットに留学。現在、徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部メンタルヘルス支援学分野に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。