出版社内容情報
臨床のリアリティとニーズのなかで,「見立て」「治療関係」「介入」の三局面からつかむ学派を越えた心理療法統合・折衷の極意。
心理療法は,歴史の中で学派ごとにその理論と技法を進化させてきた。しかし,いつの時代もセラピストは学派や理論のためにではなく,クライエントの福祉のために仕事をしなければならない。統合・折衷的心理療法は,かかる心理療法への現実的・実践的要請の中で模索されてきた潮流である。
時間的・空間的なクライエント理解から二つ以上の心理療法の理論を複合し,多元的に活用する理論複合(統合)アプローチ。クライエントとのあらゆる接触を技法とみなし,整合的で多次元的なアセスメントからクライエントに最適の技法選択を導き出す技法折衷アプローチ。治療外要因やクライエントの枠組みを最重要視することで,セラピーに共通する治療要因の効果を最大化する共通要因アプローチ。
本書ではこの三つの統合・折衷アプローチによる「見立て」,「治療関係」の構築,「介入と技法」の実際を通して,セラピストを目の前のクライエントにとってより確実で有用なリソースへと彫琢するための指針を示す。
現場のリアリズムに立脚したこの実践は,わが国の心理臨床の土壌に,統合・折衷の流れをよりリーズナブルで真にクライエント中心的な形で導入していくためのガイドラインとなるであろう。
序章 統合・折衷的心理療法とは◎東 斉彰
第I部 見立て
第1章|心理療法における見立て◎加藤 敬
第2章|クライエントと共に作る見立て―理論複合の立場から◎加藤 敬
第3章|的確な介入を導く見立て―技法折衷の立場から◎東 斉彰
第4章|クライエントの可能性を広げる見立て―共通要因の立場から◎前田泰宏
コメント|理論的折衷と技法的折衷―臨床家一人に一つの折衷理論◎古宮 昇
第II部 治療関係
第1章|心理療法における治療関係◎東 斉彰
第2章|治療関係の構築と治療抵抗への対処―理論複合の立場から◎加藤 敬
第3章|技法適用における治療関係の重要性―技法折衷の立場から◎東 斉彰
第4章|効果的な治療関係の構築―共通要因の立場から◎前田泰宏
コメント|あなたはこのクライエントにどの技法を提案するか◎倉光 修
第III部 介入と技法
第1章|よりよい援助プロセスと実効性を目指して◎前田泰宏
第2章|治療に有効な介入技法の使用―理論複合の立場から
内容説明
三つの統合・折衷アプローチによる「見立て」、「治療関係」の構築、「介入と技法」の実際を通して、セラピストを目の前のクライエントにとってより確実で有用なリソースへと彫琢するための指針を示す。
目次
第1部 見立て(心理療法における見立て;クライエントと共に作る見立て―理論複合の立場から;的確な介入を導く見立て―技法折衷の立場から ほか)
第2部 治療関係(心理療法における治療関係;治療関係の構築と治療抵抗への対処―理論複合の立場から;技法適用における治療関係の重要性―技法折衷の立場から ほか)
第3部 介入と技法(よりよい援助プロセスと実効性を目指して;治療に有効な介入技法の使用―理論複合の立場から;技法介入の役割と機能―技法折衷の立場から ほか)
著者等紹介
東斉彰[アズマナリアキ]
広島国際大学大学院心理科学研究科実践臨床心理学専攻教授
加藤敬[カトウタカシ]
一般社団法人こども心身医療研究所・診療所主任臨床心理士
前田泰宏[マエダヤスヒロ]
奈良大学社会学部心理学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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