出版社内容情報
「劇場型社会」としての現代の〈こころ〉の現象を音楽,絵画,小説,映画等の作品をもとに読み解き,精神の病の実相を明らかにする。
精神はひとつの宇宙である。本書において著者は,脳の中の小宇宙としての精神のさまざまな側面(こころ・自己・精神・脳)に迫ろうと心理現象の言語表現を中心に野心的な考察を行った。異なった領域からそれぞれの視点,方法論を使った場合に精神をどのようにとらえることができるか,「劇場型社会」としての現代にみられる〈こころ〉の現象を,音楽,絵画,小説,映画等の作品をもとに読み解き,精神現象に対する感受性と理解・共感を深めることを目的とした知的越境者の精神史が展開する。
さらに他者と社会の出現による,対人関係と社会的自我,現代人の対人的「感応力」の低下,人間関係の指標である感情の病理と感情交流の相互作用にまで考察は及ぶ。精神現象への接近,人と人との織りなす世界,心理的理解と援助のための,知的興奮を伴う,『こころ』の多様な表現を探索する試み。
第1講 学ぶことの作用と副作用
第2講 序論「自己・精神・脳」:精神へのさまざまな接近
第3講 近代自然科学における「こころ」
第4講 精神の研究の諸方法論
第5講 主観と客観:心身二元論をめぐって―精神の理解におけるaporia
第6講 「こころ」と文化――「コトバ文化」
第7講 こころとことば――精神現象と言語表象
第8講 創造性・病・自己:病蹟学――表現芸術を通してみた心理現象について
第9講 藝術表現にみる精神現象――感情をとらえる・よみこむ
第10講 「こころの時代」――感情の病理
第11講 音楽表現にみる精神現象:感情をとらえる・よみこむ[続編]――音楽藝術における感情
第12講 食・性・精神
第13講 ライフサイクル/拡散・希薄化する自己とその境界/再び脳へ
【著者紹介】
慶應義塾大学医学部クリニカルリサーチセンター センター長・教授
日本大学医学部医学科 卒業,同大学院(薬理学)博士課程修了,医学博士.
聖路加国際病院内科,英国Maudsley病院精神療法科,Cambridge大学医学部精神医学教室,埼玉県立精神保健総合センター,日本大学医学部精神神経科学教室,萬有製薬臨床医薬研究所などを経て,2007年4月より現職.
内容説明
精神はひとつの宇宙である。本書において著者は、脳の中の小宇宙としての精神のさまざまな側面(こころ・自己・精神・脳)に迫ろうと心理現象の言語表現を中心に野心的な考察を行った。異なった領域からそれぞれの視点、方法論を使った場合に精神をどのようにとらえることができるか、「劇場型社会」としての現代にみられる“こころ”の現象を、音楽、絵画、小説、映画等の作品をもとに読み解き、精神現象に対する感受性と理解・共感を深めることを目的とした知的越境者の精神史が展開する。さらに他者と社会の出現による、対人関係と社会的自我、現代人の対人的「感応力」の低下、人間関係の指標である感情の病理と感情交流の相互作用にまで考察は及ぶ。
目次
学ぶことの作用と副作用
序論「自己・精神・脳」―精神へのさまざまな接近
近代自然科学における「こころ」
精神の研究―その諸方法論
主観と客観:心身二元論をめぐって―精神の理解におけるアポリア
「こころ」と文化―「ことば文化」
こころとことば―精神現象と言語表象
創造性・病・自己:病蹟学―表現藝術を通してみた心理現象について
藝術表現にみる精神現象―感情をとらえる・よみこむ
「こころの時代」―感情の病理
音楽表現にみる精神現象:感情をとらえる・よみこむ(続編)―音楽藝術における感情
食・性・精神
ライフサイクル/拡散・希薄化する自己とその境界/再び脳へ
著者等紹介
佐藤裕史[サトウユウジ]
慶應義塾大学医学部クリニカルリサーチセンターセンター長・教授。日本大学医学部医学科卒業、同大学院(薬理学)博士課程修了、医学博士。聖路加国際病院内科、英国Maudsley病院精神療法科、Cambridge大学医学部精神医学教室、埼玉県立精神保健総合センター、日本大学医学部精神神経科学教室、萬有製薬臨床医薬研究所などを経て、2007年4月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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