私説・臨床心理学の方法―いかにクライエントを理解し、手助けするか

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私説・臨床心理学の方法―いかにクライエントを理解し、手助けするか

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  • サイズ A5判/ページ数 405p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784772411882
  • NDC分類 146
  • Cコード C3011

出版社内容情報

初回面接・見立ての技法やクライエントとの良好な治療関係を築くコツなど面接場面で役立つ臨床知見が解説された著者の臨床の集大成。

本書は、精神科病院と開業心理療法オフィスの二つの心理臨床現場において、長年にわたって心理療法を実践し、たぐいまれな経験と深い思索を積み重ねてきた著者が、臨床家人生の集大成として、「臨床心理学の方法」を書き下ろしたものである。
「臨床心理学の方法」、すなわち「いかにクライエントを理解し、手助けするか」をめぐり、「理解・見立ての方法」と「手助け(心理療法)の方法」について、きわめて実際的、臨床的に丁寧に説明すると共に、その基盤となる、臨床心理学という学問の独自の方法論や、臨床心理学を実践する臨床心理士の専門性について、示唆に富んだ思索を展開している。
臨床心理学という学問の独自性と、臨床心理士の職業的専門性の、その大道を照らし出す貴重な指南の書として、現場で苦闘する臨床心理士と、臨床心理学を学ぼうとする多くの人たちに、お薦めする。

はじめに
第?T部 臨床心理学という学問の方法―対象としてのクライエントといかなる関係性を持つか―

第一章 臨床心理学の原則
一 対象としてのクライエントと,その「こころ・からだ」
二 クライエントと直接かかわることによって
三 クライエント自身の表現を通して
四 クライエントと臨床心理士との関係の中で
五 臨床心理士自身のこともつねに含み込んで
六 自らの臨床心理学の理論や方法を少し冷ややかに見ながら
七 そして何よりもクライエントのために

第二章 臨床心理学がクライエントを理解する視点と方法
一 今ここに在るままの「こころ・からだ」を理解する(現前性)
二 状況の中での「こころ・からだ」を理解する(状況性)
三 歴史を通しての「こころ・からだ」を理解する(歴史性)
四 対象関係のもとでの「こころ・からだ」を理解する(関係性)
五 個体としての「こころ・からだ」を理解する(個体性)
六 探し求めている「こころ・からだ」を理解する(希求性)
七 六つの視点を含み込んだクライエントの「物語」を読む
八 表に現われた「物語」と裏に隠れている「物語」
九 理解の六角形と関係性の三角錐
十 理解することから,共感,そして手助けへ

第三章 臨床心理学の見方・考え方
一 「無意識」という仮説
二 「象徴」としても考える
三 「多義性」の中を漂う
四 「曖昧さ」に耐える
五 「両価性・背反性」を心得ておく
六 「逆」もまた「真」なり
七 「投影」という考え方
八 「良い・悪い」は簡単には決めつけられない
九 「性愛・エロス」の力
十 「自然モデル」と「機械モデル」
十一 山あれば谷あり,谷あれば山あり
十二 初心忘るべからず


第?U部 臨床心理学による見立ての方法
―いかにクライエントを理解し,査定し,手助けの方針を立てるのか ―

第四章 クライエントに会う(初回面接)
一 クライエントを迎え入れる
二 きちんと自己紹介をする
三 クライエントの不安,緊張,怖れに心を配る
四 クライエントに話しかける
五 クライエントのことばに耳を傾ける
六 困っていること,問題になっていることを聞く
七 症状や問題になっていることのプラスの面も理解しておく
八 臨床心理士やその手助け(心理療法)に何を望んでいるか確かめる
九 クライエントに引き起こされるさまざまな怖れ
十 家族に連れて来られている場合
十一 会うことが必ずしもよいとは限らない
十二 初回面接の最後に決めておくこと,伝えておくこと

第五章 クライエントを理解する
一 クライエントとその「こころ・からだ」を総体的に理解する
二 コンステレーションを読む
三 共感を生成する
四 「物語」としてみるクライエントの人生
五 症状や問題行動も「物語」の構成要素である
六 自身のことを話すときに生じるクライエントの不安と疑問
七 クライエントの人生をいたわりながら聞く
八 分かったつもりにならない,分かったふりをしない
九 秘密を守ることと,守れない秘密があること
十 自身の人生を語ることはクライエントにとって最初の心理療法の作業となる
十一 「歴史性」「関係性」に触れる危険性
十二 クライエント理解における「普遍性」「超越性」の視座

第六章 クライエントを査定する
一 総体的理解の一部としての査定・診断
二 査定はクライエントの「強さ」「健康さ」を見出す作業でもある
三 精神医学的症状は「こころ・からだ」を守る手段でもある
四 査定・診断における「相違」と「連続」
五 たかが心理検査,されど心理検査
六 クライエントを見る
七 クライエントの発達の問題を査定する
八 クライエントの病態水準を査定する
九 心理療法における治療関係を予測する
十 心理療法における危険性を予測する
十一 心理療法の過程,展開を予測する

第七章 病態水準論
一 病態水準について
二 筆者による病態水準の考え
三 精神病水準の特徴
四 境界例水準の特徴
五 神経症水準の特徴
六 風景のイメージで見る「こころ・からだ」の成り立ちと病態水準

第八章 手助けの方針を決め,クライエントに伝え,合意する
一 手助けすることは独りでやるべきことを妨げているかもしれない
二 「心理療法」という手助けと「カウンセリング」
三 心理療法の戦略を定める
四 心理療法の主たる技法を決める
五 「日常的なお喋り」こそが心理療法であることもある
六 臨床心理士として分かったこと,理解したことを伝える
七 臨床心理士が守るべきことを伝える(頭に入れておく)
八 クライエント自身が守らなくてはならないことを伝える(頭に入れておく)
九 臨床心理士にはできないことがあることを伝える(頭に入れておく)
十 クライエントの心構えを作る
十一 クライエントの不安,疑問にていねいに答える
十二 心理療法の作業を共に進めることを話し合い,合意する
十三 覚悟を決め,腹を据える


第?V部 臨床心理学による手助け(心理療法)の方法
―いかにクライエントを手助けし,よりよい対処を探し,共に歩くのか―

第九章 クライエントにかかわる
一 心理療法の始まり
二 セラピストのかかわり方
三 「状況性」「歴史性」「関係性」により深く触れていく
四 失敗はするものだが,しかしそれに気づき,修復できるかが課題
五 セラピストや心理療法に対する不満や疑問を話せる場でもあること
六 「こころ・からだ」の働きとしての「解き放つこと」と「抱えること」
七 できるだけ自由に表現できるように手助けする
八 できるだけ抱えていることができるように手助けする
九 なぜ,繰り返し語られ,そして繰り返し聴かれなくてはならないのか
十 ことばにすることの大切さ
十一 ことばにすることの大変さ
十二 黙って耳を傾けることの難しさ

第十章 クライエントにかかわりながら考え続ける
一 「関与しながらの観察」ということ
二 理解や見立ての作業は繰り返し続けられ,修正され,深められなくてはならない
三 共感の重層性について
四 クライエントは心理療法をどう体験しているのか
五 クライエントはセラピストをどう体験しているのか
六 クライエントとセラピストの関係で何が生じているのか
七 セラピスト自身の中に何が引き起こされているのか
八 外的なことと内的なこと
九 心理療法において何が生じているのか
十 心理療法の「流れ」はどうなっているのか

第十一章 クライエントの自己理解と自己修復を助ける
一 セラピストによる理解からクライエント自身による理解へ
二 自己理解はあくまでも自己修復のために
三 人生の「物語」が繰り返し読み直され,書き直される
四 「歴史性」「関係性」が再現され,修復の契機となる
五 心理療法の場を通しての修復作業
六 セラピストの存在とその関係による修復作業
七 クライエントの自己理解と自己修復を助けるための解釈
八 問題や症状は無くすことよりも抱えていられることが課題
九 超越的な視野を持てるようになること
十 クライエントが「セラピストに成る」ということ

第十二章 心理療法における「こころ・からだ」の作業
一 助け手に出会う
二 安心して委ねられる
三 傷つきを共感的に理解され受け容れられる
四 抑圧されてきた無意識の感情や観念に気づく
五 「母なるもの」「父なるもの」の支配と向き合う
六 目を背けてきた自身の「影」に直面する
七 死を体験する
八 死を潜り抜け再生する
九 内なる自己治癒力を見出す
十 人間としての限界を自覚する
十一 対立するものと和解し結ばれる
十二 超越的なものの働きを知らされる
十三 自分固有の「物語」を発見する
付 クライエント黒川紀代子さんによるコメント

第十三章 クライエントと共に歩き続ける
一 職人として
二 日々の糧を稼ぐための仕事
三 対象として破壊されずに生き残る
四 無力感を抱える
五 限界を知る
六 「鏡」としてのクライエント
七 一人のセラピストの力だけで「治って」いくわけではない
八 中断を巡って
九 クライエントが目標とするものとセラピストが目標とするもの
十 手助けの終わり
十一 終結に向けての面接
十二 クライエントの自立と依存

あとがき

内容説明

精神科病院と開業心理療法オフィスの二つの心理臨床現場において、長年にわたって心理療法を実践し、たぐいまれな経験と独自の思索を深めてきた著者の、臨床家人生の集大成。「理解・見立ての方法」と「手助け(心理療法)の方法」について、きわめて実際的、臨床的に丁寧に説明すると共に、その基盤となる、臨床心理学という学問の独自の方法論や、臨床心理学を実践する臨床心理士の専門性について、示唆に富んだ思索を展開している。

目次

第1部 臨床心理学という学問の方法―対象としてのクライエントといかなる関係性を持つか(臨床心理学の原則;臨床心理学がクライエントを理解する視点と方法;臨床心理学の見方・考え方)
第2部 臨床心理学による見立ての方法―いかにクライエントを理解し、査定し、手助けの方針を立てるのか(クライエントに会う―初回面接;クライエントを理解する;クライエントを査定する ほか)
第3部 臨床心理学による手助け(心理療法)の方法―いかにクライエントを手助けし、よりよい対処を探し、共に歩くのか(クライエントにかかわる;クライエントにかかわりながら考え続ける;クライエントの自己理解と自己修復を助ける ほか)

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