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出版社内容情報
統合失調症の妄想論,幻聴の臨床研究,ワイツゼッカーの主体概念の考察など,臨床精神病理学によるスリリングな知的冒険の書。
精神病理学とは,異常も含めた精神現象を広い意味で心理学的,認識論的,人間学的,現象学的,存在論的にさらに言うなら哲学的態度で臨床の場において患者との相互作用を通して理解しようとする営為である(本書序文より)。
生物学的精神医学と精神病理学は,精神医学を支える二本の大きな柱である。本書では,著者が最も学問的関心を寄せる統合失調症の妄想論を中核として,幻聴の臨床研究,昨今の操作的診断に対するアンチテーゼから,ワイツゼッカーの主体概念についての考察など,日常臨床のフィールドを総合病院とする著者の境界的クロスカルチュラルな刺激的論考が展開される。現場からのフィードバックによる精神病理学的理解の深化により治療の場を構造化し,精神療法的面接技術を応用発展させることを目指した試みと言えよう。
巻末には著者自身による詳細な解題を付した。
1.精神医学・対話・哲学
2.語りからみた心身症
3.家の継承を主題とする女性うつ病者について―奥三河地方における考察
4.統合失調症の妄想における確信の構造―妄想と「反」常識
5.統合失調症における妄想の構造
6.妄想―臨床的側面
7.精神病理学的妄想研究の方法論的基本問題
8.幻聴と共通感覚
9.私的言語から見た統合失調症体験
10.精神医学における直観の意義―「統合失調症性」との関連において
11.ドイツ語圏における精神病理学の最近の動向について
12.マールブルクとブランケンブルク精神病理学―私の留学体験記
13.文献紹介 自明性の喪失―分裂病の現象学
14.脳と心の関係について―精神医学の立場から
15.パッションについて
16.「好意」とは「敵意」なりしか
内容説明
生物学的精神医学と精神病理学は、精神医学を支える二本の大きな柱である。本書では、著者が最も学問的関心を寄せる統合失調症の妄想論を中核として、幻聴の臨床研究、昨今の操作的診断に対するアンチテーゼから、ワイツゼッカーの主体概念についての考察など、日常臨床のフィールドを総合病院とする著者の境界的クロスカルチュラルな刺激的論考が展開される。現場からのフィードバックによる精神病理学的理解の深化により治療の場を構造化し、精神療法的面接技術を応用発展させることを目指した試みと言えよう。
目次
語りと対話(精神医学・対話・哲学;語りからみた心身症;家の継承を主題とする女性うつ病者について―奥三河地方における考察)
妄想論(統合失調症の妄想における確信の構造―妄想と「反」常識;統合失調症における妄想の構造;妄想―臨床的側面;精神病理学的妄想研究の方法論的基本問題)
統合失調症論(幻聴と共通感覚;私的言語から見た統合失調症体験;精神医学における直観の意義―「統合失調症性」との関連において)
精神医学の動向および随想(ドイツ語圏における精神病理学の最近の動向について;マールブルクとブランケンブルク精神病理学―私の留学体験記;文献紹介 自明性の喪失―分裂病の現象学;脳と心の関係について―精神医学の立場から;パッションについて;「好意」とは「敵意」なりしか)
著者等紹介
生田孝[イクタタカシ]
医学博士、理学博士。1949年北海道小樽市生まれ。1972年大阪大学理学部物理学科卒業。1977年名古屋大学大学院理学研究科博士課程(理論物理学専攻)修了。1981年大阪大学医学部医学科卒業。1981年岸和田徳洲会病院にて外科系内科系臨床研修。1982年名古屋市立大学医学部精神医学教室に入局。木村敏、清水將之両先生に師事。1991~92年ドイツ・マールブルク大学医学部精神医学教室ブランケンブルク教授のもとに留学。1993年新城市民病院精神科医長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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