出版社内容情報
社会状況との関係が深い「自殺」と「抑うつ」について,社会心理学的アプローチを臨床実践に活かす臨床心理社会学の試み。
内容説明
「臨床の経験則」と「実証研究理論」、「メンタルヘルス向上のための臨床実践」と「メンタルヘルスの社会的パースペクティヴ」、「再発予防のメンタルヘルス・ケア」と「再発因子を特定するデータ分析」は、いずれも対立なく宥和する。社会のなかに発生因をもつ「抑うつ」と「自殺」への心理援助は、社会心理学の知見を応用することで初めてその目的を完遂する。社会心理学と臨床心理学の「境界領域」から、ふたつの心理学が技術と知見を分かちあう可能性に賭け、相互補完的に真の人間理解・真の心理援助へと向かうことを提言する、新たな時代の総合的アプローチ。
目次
1 臨床心理学と社会心理学のインターフェイス
2 抑うつへの心理援助(抑うつとは;個人から見た抑うつ;対人関係から見た抑うつ;社会における抑うつ・精神疾患)
3 自殺への心理援助と予防の実践(自殺行動の社会心理学的パースペクティブ;自殺報道について;地域における予防の実践;大学における予防の実践)
著者等紹介
坂本真士[サカモトシンジ]
日本大学文理学部教授。1966年横浜生まれ。1990年3月東京大学教養学部教養学科第1人間行動学分科卒業、1992年4月東京大学大学院社会学研究科修士課程修了(社会学修士)、1995年3月東京大学大学院社会学研究科博士課程修了(博士(社会心理学))。1995年9月~1998年8月科学技術特別研究員(国立精神・神経センター精神保健研究所)、1998年9月~1999年3月大妻女子大学人間関係学部設置準備室専任講師、1999年4月~2003年3月大妻女子大学人間関係学部専任講師、2003年4月~2008年3月日本大学文理学部助教授、2008年4月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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