内容説明
日々の臨床から抽出された実践的な「精神分析体験」との出会い。精神分析臨床エッセイ。
目次
精神分析臨床家とは
精神分析という方法その1―設定を一定に保ち続けること
精神分析という方法その2―一定の技法にとどまること
分析的な好奇心
語られることの中の現実と空想
現実の提示は有用か:技法上の問題
分析と統合
身だしなみ
精神分析の短期化と簡便化
技法の統合、もしくは統合的アプローチについて〔ほか〕
著者等紹介
松木邦裕[マツキクニヒロ]
1950年佐賀市に生まれる。1975年熊本大学医学部卒業。精神分析個人開業後、現在は京都大学大学院教育学研究科に在籍。日本精神分析学会会長、日本精神分析協会会員、日本心理臨床学会評議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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むく
3
クライン派精神分析家の著者が、精神分析の基本的な考え方を、自身の臨床経験を通してまとめたエッセイ。 取り立てて目新しいことが書かれているわけではないけれど、臨床家としてのあり方について、知りたいと思うことが書いてあり、なんともいえず痒いところに手が届く一冊。 精神分析の枠組みの厳密さを再認識する内容でもあり、すべてが記述通り実践できるわけではないが、日々のあり方のエッセンスとしては非常に染み入るものがある。 テーマの選び方も、未経験でも熟達者でもない、経験の浅い人にちょうどよさそうな感じ。2010/09/18