内容説明
包括システムによるロールシャッハ・テストは、スコアリングや解釈の手順が体系化・標準化されているので、初学者であっても、正しく施行し、定められた手順を踏めば、最低限の解釈はできるが、実際の生きた事例を解釈し、臨床に活かすためには、機械的な解釈にとどまらず、クラスター相互の関係や反応内容に踏み込んだ解釈が求められる。本書は、実際の事例を使って著者がどのように解釈を進めているかを詳細に示し、それぞれのステップの留意点をていねいに示すとともに、各クスラスターの解釈をまとめて総合的にパーソナリティを理解するための、著者が長年の経験から得たこつを分かりやすく披露している。
目次
第1章 ステップ解釈の前に
第2章 健康に生活を送っている教師
第3章 健康に生活を送っている主婦
第4章 入院中のクライエント
第5章 心療内科を訪れた女性
第6章 皮膚炎に悩むセールスマン
第7章 アイデンティティを失った女子大生
第8章 暴力をふるったドライバー
第9章 疲労感に悩むビジネスマン
第10章 退院を望むクライエント
第11章 解釈の留意点
著者等紹介
高橋依子[タカハシヨリコ]
1974年京都大学大学院文学研究科博士課程心理学専攻修了。嵯峨美術短期大学専任講師、助教授、教授を経て、1997年より甲子園大学人文学部心理学科教授。その間、1988年3月より1989年5月まで米国にて在外研究(ニューヨーク大学客員研究員)。文学博士。臨床心理士。日本描画テスト・描画療法学会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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