内容説明
無意識を探究し、分析心理学の創始者となったユングと、精神分析家として『逆転移』『ノンヒューマン環境論』などの貴重な著作を残すサールズ。本書はこの立場の異なる両者の心理療法について類似点や相違点を細部まで検討し、二つの理論の止揚を図ったものである。つまり本書は、単なるユングとサールズの比較研究であるにとどまらないのだ。両者を比較しさらに統合することにより、なぜ、あるいは何が、各種の心理療法に効果を発揮しているのかを探り、癒しに含まれている興味深い共通の「非特異的」要因も見出していく。
目次
第1章 序論
第2章 理論的考察
第3章 心の病理学
第4章 心理療法の過程
第5章 治療者
第6章 結論
著者等紹介
織田尚生[オダタカオ]
1939年高知県生まれ。1973年鳥取大学大学院医学研究科修了。1984年チューリッヒ・ユング研究所修了。甲南大学文学部教授を経て東洋英和女学院大学人間科学部教授。2007年逝去。医学博士、臨床心理士、ユング派分析家
老松克博[オイマツカツヒロ]
1959年鳥取県生まれ。1984年鳥取大学医学部卒業。1995年チューリッヒ・ユング研究所修了。現在、大阪大学大学院人間科学研究科教授。博士(医学)、臨床心理士、ユング派分析家
阿部里美[アベサトミ]
東洋英和女学院大学大学院(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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