出版社内容情報
人類の遺産ともいうべきフロイト症例を読み解く知的冒険の試み。天才的な閃きに満ちたフロイトの技法論を学ぶための最適の書。
内容説明
フロイトの残した症例記録は、きわめて貴重なものである。患者たちとの交流のなかで、フロイトが何を体験し、何を考えていたか、そこからどのようにして精神分析理論を構築して行ったか。症例記録を読むことを通して、私たちはまさにその生きた現場に参与できる。本書は、人類の遺産ともいうべきフロイト症例(シュレーバー、狼男)を読み解く知的冒険の試みである。執筆者たちの緻密かつあざやかな症例検討によって、読者は天才的な閃きに満ちたフロイトの技法論を学びつつ、防衛機制、抑圧、投影、置き換え、退行、葛藤、自己愛といった精神分析のキーワードについても理解を深めることができる。
目次
第1部 症例:シュレーバー(シュレーバー―父と息子;シュレーバーの子ども時代―奇跡にみちた世界;シュレーバー症例に関するさらなる資料と記憶すべき事柄;フロイト症例を教える―シュレーバーをめぐって;アーロウとブレンナーによる「パラノイアへの構造分析的接近」の概要;統合的な考察)
第2部 症例:狼男(幼児期境界例としての狼男;狼男再考―原光景の探究;原光景の持つ病因的影響―再評価;狼男症例における「誤った治療同盟」の次元;レールモントフと狼男;統合的な考察)
著者等紹介
馬場謙一[ババケンイチ]
1934年新潟県に生まれる。1962年慶応義塾大学医学部卒業。斎藤病院勤務。1972‐1975年フンボルト財団奨学研究員として、ゲッチンゲン大学医学部に留学、以後、群馬大学、横浜国立大学、放送大学、中部大学教官。現在、放送大学客員教授、南八街病院医師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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