出版社内容情報
古典的概念を症例のなかで検証しながら,治療者と患者がどのように作用し合っていくのかをわかりやすく解説した好著。
内容説明
米国精神分析界を永らく牽引してきたオーウェン・レニック初の単著、待望の邦訳。今日、マネージド・ケア、EBMの興隆のなか、精神分析は治療法としての存在意義を再確認すべき時期にあると言える。レニックは本書で、「中立性」「匿名性」など、フロイト以降の古典的精神分析理論において前提とされてきた原則の意義を、日常の臨床において現れるセラピストと患者の相互作用のなかで再点検していく。あくまで患者の症状軽減、治療利益を重視しつづける症例記述から、精神分析治療において何が実践的であるのかが鮮やかに理解されるだろう。わかりやすい語り口で解説されたセラピストと患者のための「実践的精神分析」のはじめての入門書。
目次
実践的精神分析
症状と症状軽減
役に立つ質問
治療利益の追跡
盲目の飛行
カードを開くトランプ遊び
現実の維持
中立性の危険
自己認識の限界
行動化とエナクトメント
行き詰まりからの脱出法
治療を破壊したがる患者たち
外傷後のストレス
恐怖症
パニックと奇妙な感情
心配対後悔
エディプス再考
欲望と権力
重要な他者
やめること
著者等紹介
妙木浩之[ミョウキヒロユキ]
1987年、上智大学大学院博士課程満期退学。佐賀医科大学助教授を経て、東京国際大学人間社会学部・大学院臨床心理学研究科教授
小此木加江[オコノギカエ]
1995年、立教大学大学院文学研究科教育学専攻修士課程修了。現在、けいゆう病院精神神経科、済生会中央病院心療科勤務。明治学院大学心理学部兼任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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