内容説明
包括システムによるロールシャッハ・テストは、実証的根拠をもち、最も臨床に役立つことを目指して、解釈においても実証性の側面を強調した統合的な心理テストである。本書はわが国の健常成人400人の資料に基づき、パーソナリティを理解するための、ロールシャッハ・テストの解釈法を述べたものである。本書の示す数値をもとに構造分析を行い、定められた解釈順序に従って解釈仮説を統合していくことにより、初学者でもロールシャッハ・テストが提供する重要な所見を見落とすことなく、臨床面で必要な解釈が可能となる。さらに本書に含まれる内容分析と系列分析を加味することにより、統合的な解釈が可能になる。今日、世界のロールシャッハ・テストの共通語となっている包括システムによる解釈を、わが国に適用するための必携の書といえよう。
目次
ロールシャッハ・テストの解釈
感情
統制とストレス耐性
状況関連ストレス
自己知覚
対人知覚
情報処理
認知的媒介
思考
系列分析
内容分析
ステップ解釈の例
著者等紹介
高橋雅春[タカハシマサハル]
1950年京都大学文学部哲学科心理学専攻卒業。関西大学名誉教授
高橋依子[タカハシヨリコ]
1974年、京都大学大学院文学研究科心理学専攻博士課程修了。甲子園大学人文学部教授
西尾博行[ニシオヒロユキ]
1974年関西大学社会学部卒業。1992年関西大学大学院社会学研究科社会心理学専攻臨床心理学専修博士課程修了。文京学院大学人間学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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