内容説明
「入院医療中心」から「地域生活支援中心」への転換が急速に進められようとしている現在、精神科デイケアには心理社会的治療の拠点、医療と地域をつなぐネットワーク作りの要としての役割が期待される一方、時代の変化に対応した機能の明確化が求められています。本書は、国立精神・神経センター精神保健研究所で実施された精神科デイケア研修を忠実に再現したものです。精神保健福祉の動向、導入から卒業にいたるまでの治療方法、急性期入院治療との連携、デイケアにおける就労支援、ACTによる地域生活支援から見たデイケア、精神科クリニックにおけるデイケア活動について、第一線の臨床家が、新しい時代に対応したもっと効果的なデイケア治療のあり方をわかりやすく具体的に示しています。さらに、参加者による症例検討や討論、質疑応答が組み入れられ、問題点の理解が深められるよう工夫されています。デイケアの運営方法や技術など、徹底的に現場の問題に向き合うとともに、エビデンスに基づくデイケア・ガイドライン作りを目指した近未来指向の実践ガイドとして、精神科デイケアに関わるすべての職種の方々に座右の書となるでしょう。
目次
第1講 精神保健福祉の動向と精神科デイケアの役割
第2講 デイケア治療の導入から卒業まで
第3講 急性期入院治療と連携した精神科デイケア運営
第4講 精神科デイケアにおける就労支援:実行委員会方式とSSTの統合
第5講 ACTによる地域生活支援と精神科デイケア
第6講 精神科地域ケアにおけるデイケア活動:精神科診療所デイケアの立場から
第7講 精神科デイケア症例の検討
第8講 討論 デイケア・プログラムを考える
第9講 補足 退院促進と精神科デイケア
著者等紹介
安西信雄[アンザイノブオ]
国立精神・神経センター精神保健研究所社会精神保健部(現:国立精神・神経センター武蔵病院)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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