内容説明
社会にとって電話相談は重要な資源の一つであるが、こころの援助分野の電話相談において、聞き手(援助者側)は何をすべきなのだろうか。本書は、村瀬嘉代子、津川律子を中心に、「いのちの電話」や被害者・被災者支援、産業臨床、子育て支援など電話相談の世界で実践を重ねている筆者らによって著された、電話相談者のための実際的で具体的なリーディング・テキストである。援助者側にとれば電話相談は個人面接に比べて、イージーなものと思われがちである。しかし、実際のところの電話相談は、虚空に消えてゆきそうな声だけを頼りにしたもっとも繊細な心理的援助場面の一つであり、傾聴やアセスメントといった総合的臨床能力が問われる場でもある。こうした援助者側の課題や電話相談に関する長年の実践例、援助者への研修・教育方法などがまとめられた本書は、電話相談にかかわる心理援助職やボランティアらに本当に必要な一冊となるであろう。
目次
電話による心理的援助の意義
座談会「いのちの電話」
電話相談の可能性
電話相談員の養成
ライフサイクルと電話相談
電話相談におけるアセスメント―声の文脈(context)を聴きとる
電話相談の実際:被災者支援と危機介入
電話相談の実際:産業―EAP(従業員支援プログラム)における電話サービスの現状と課題
電話相談の実際:子育て支援
電話相談の実際:医療の電話相談
電話相談の実際:犯罪被害者支援と社会資源
メール相談とその可能性
電話相談を通して生活の賦活化を助ける
座談会「電話相談における今後の課題」
産業精神保健と電話相談
著者等紹介
村瀬嘉代子[ムラセカヨコ]
臨床心理士、博士(文学)。奈良女子大学文学部心理学科卒業後、家庭裁判所調査官(補)、カリフォルニア大学大学院バークレイ校留学などを経て、大正大学人間学部並びに大学院人間福祉学科臨床心理学専攻教授
津川律子[ツガワリツコ]
臨床心理士。帝京大学医学部附属病院、東京警察病院、帝京大学医学部附属溝口病院などを経て、日本大学文理学部心理学科助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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