内容説明
本書は、ドリームワークの考案者であり実践者である臨床家ロバート・ボスナックによる本邦だけの論文・講演集である。夢は寝ている間に体験する出来事であるが、生きられた経験であり、昼間に体験する生活と同じく“リアル”なものである。ドリームワークは、ユング派の流れを汲む援助方法であるが、夢のイメージを持ち続け、さらにイメージの中に入り、内側から身体や五感を通して(=enbody)、再度、経験することで、夢そのものを真に体験することである。夢の持つリアリティに近づいていくことで、人生の意味を気づかせ、メンタルヘルスだけでなく、身体疾患からの回復さえも促う―それがドリームワークの真髄である。本書では、その方法論が詳述され、ドリームワークの実践者でもある訳者二人によって丁寧な解説が加えられた。
目次
第1章 ドリームワークの実践
第2章 臓器移植における統合と両価性
第3章 心理学的ネットワーキングと臓器の拒絶反応
第4章 体のドリームワークと古代の医療
第5章 体現的想像力
第6章 サイバードリームワークの動き―Jill Fischerとの共同研究
第7章 苦悩と体現―エラノスでの講演(アスコナ、スイス、2001年10月5日)
第8章 トラウマを代謝する―生態系としての体現的想像
第9章 汚れた針―劣った分析家のイメージ
著者等紹介
岸本寛史[キシモトノリフミ]
1991年京都大学医学部卒業。内科医
山愛美[ヤマメグミ]
1987年京都大学大学院教育学研究科博士後期課程学修認定退学。博士(教育学)。臨床心理士。京都学園大学人間文化学部・人間文化研究科教授
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