内容説明
8名の海外招聘講師と27名の国内招聘講師をはじめとして、1,000名を超える心理療法の実践家が国内外から「第2回環太平洋ブリーフサイコセラピー会議」に結集し、「より効果的な心理療法」を軸に白熱した議論が展開された。言語、文化や立場を異にする実践家たちが、「クライエントに役立つこと」を唯一の共通項として、学派を超え、理論的背景や臨床的スタンスの違いを超えて、ダイアローグやシンポジウム、ワークショップでのディスカッションを通してともに心理療法の新たな視点を模索した本会議は、他に類を見ない熱気をはらんだ画期的なものであった。本書はそのエッセンスを盛り込んだ記録であり、わが国での実践の数々が、単に欧米の理論や技法を一方的に輸入するだけでなく、世界中のセラピストに多大な刺激を与え心理療法の進歩に貢献できることをも示している。
目次
第1部 本会議の経緯・概要(環太平洋ブリーフサイコセラピー会議の趣旨と第2回会議の概要;プラナリー・シンポジウムの概要:より効果的な心理療法をめざして)
第2部 ダイアローグ(セラピストの反応はいかにしてセラピーの進展を促進もしくは妨害するか;虐待やネグレクトを受けた子どもたちとの解決の構成 ほか)
第3部 シンポジウム(サイコセラピーの効率化と深化の問題をめぐって;被害に対する治療・援助・支援のあり方 ほか)
第4部 事例検討(「虫退治」の枠組みで行う不登校の家族療法;タイムマシン・クエスチョン―リサとヨーコの事例 ほか)