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内容説明
外傷後ストレス障害(PTSD)は、おそらく他のどの精神障害よりも、心理的ならびに生理的反応の密接な相互依存性を示している。本書は、生物学的視点と精神分析学的視点の双方を統合して取りあげた画期的な著作であり、その内容は現在も臨床家や研究者に多大な影響を与えている。トラウマ治療の根幹として、トラウマ体験に焦点をあてた治療が真に効果があるのか、ではPTSDの精神療法においてトラウマ体験をどのように扱うべきなのか、社会的支援のあり方とは何か、暴力の世代間伝達としての家族内トラウマ、さらに、ナチス強制収容所の生存者研究の結果が例としてあげられ、極限状況の中で生き残るための集団の役割が詳しく解説される。
目次
第1章 衝撃的な体験がもたらす心理的影響
第2章 分離の叫びとトラウマ反応―愛着と分離の生物心理学における問題点
第3章 トラウマ反応の精神生物学―過覚醒、狭窄、トラウマへの嗜癖
第4章 虐待が子どもの思考に及ぼす影響に関する理論的発展
第5章 境界性人格障害における先行するトラウマ
第6章 家族内トラウマ―暴力の世代間伝達
第7章 トラウマ反応の始まりと解消における集団の役割
第8章 健忘、解離、抑圧されたものの回帰
第9章 「描画療法」によるトラウマ記憶の想起と統合
第10章 犠牲者から生存者へ―ストレス管理法による学習された無力感の治療
著者等紹介
飛鳥井望[アスカイノゾム]
1952年生まれ。1977年東京大学医学部卒業後、東京大学医学部附属病院分院神経科入局。1982年東京都立墨東病院神経科医員。1987年同医長。1992年東京都精神医学総合研究所社会精神医学研究部門副参事研究員。2001年同参事研究員。医学博士、日本トラウマティック・ストレス学会会長、日本社会精神医学会理事、日本精神科救急学会理事
前田正治[マエダマサハル]
1960年生まれ。1984年久留米大学医学部卒業。同年、久留米大学医学部精神神経科学教室入局。1992年同教室助手。1996年同教室講師。日本トラウマティック・ストレス学会理事
元村直靖[モトムラナオヤス]
1954年生まれ。1980年大阪医科大学医学部卒業。1990年大阪医科大学神経精神医学教室講師。1997年大阪教育大学(全国共同利用施設)教授。2003年大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター長。日本トラウマティック・ストレス学会監事
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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