出版社内容情報
《内容》 現在,不登校→家庭内暴力→ひきこもりという経過を辿る若者が増えているという。わが国では子どもが親に暴力を振るう点に特徴があるとする家庭内暴力,近年注目を集めその数,数十~百万人とも言われる社会的ひきこもり,親に虐待を受けて育った患者,家庭内暴力の症状を呈する思春期境界例等,本書は思春期の暴力に関する対応と援助の要諦を説いた実践的な臨床書である。
著者は暴力を振るう若者を理解するためのキーワードとして,「臆病な自尊心」「尊大な羞恥心」の二つをあげ,あくまで臨床家としての視点から,今子どもたちの心に何が起きているのか,どうすれば立ち直らせることができるかを,事例に沿って詳述する。さらに子どもの暴力のみを取り上げることで親の暴力を見逃す危険性を指摘し,暴力を生む条件としての虐待,PTSD,憑依・多重人格,また治療困難な来談しないケース,重症例のための入院治療の実際までも紹介している。
《目次》
□主な目次
■第1部 家庭内暴力への対応と援助
第1章 現代の思春期像と家庭内暴力
第2章 親に暴力を振るう子どもたち
第3章 家族力の回復を求めて
第4章 家庭内暴力の精神力動とその対応――治療のすすめ方
第5章 居場所を失ったときの無力感
第6章 家庭内暴力の入院治療――処遇困難事例をめぐって
第7章 虐待と家庭内暴力
第8章 不登校,家庭内暴力,引きこもり青年への援助
第9章 治療過程における「わたし」と「自分」――女性の家庭内暴力に対する治療上の工夫
■第2部 思春期臨床の実践的展開
第10章 思春期に起こりやすい精神症状とその対応
第11章 思春期境界例の治療
第12章 思春期境界患者の家族
第13章 パーソナリティ障害と入院治療
第14章 重症強迫神経症と治療――引きこもり,治療意欲の乏しい例や家庭内暴力を伴う例への対応
第15章 あるヒステリー男子の治療――児童期に母親からの虐待体験を持つ症例
第16章 暴力とトラウマ――PTSDの治療
第17章 憑依,多重人格の精神療法
内容説明
本書は思春期の暴力に関する対応と援助の要諦を説いた実践的な臨床書である。暴力を振るう若者を理解するためのキーワードとして、「臆病な自尊心」「尊大な羞恥心」の二つをあげ、臨床家としての視点から、今子どもたちの心に何が起きているのか、どうすれば立ち直らせることができるかを、事例に沿って詳述した。子どもの暴力のみを取り上げることで親の暴力を見逃す危険性を指摘し、暴力を生む条件としての虐待、PTSD、憑依・多重人格、また治療困難な来談しないケース、重症例のための入院治療の実際までも紹介している。
目次
第1部 家庭内暴力への対応と援助(現代の思春期像と家庭内暴力;親に暴力を振るう子どもたち;家族力の回復を求めて;家庭内暴力の精神力動とその対応―治療のすすめ方 ほか)
第2部 思春期臨床の実践的展開(思春期に起こりやすい精神症状とその対応;思春期境界例の治療;思春期境界患者の家族;パーソナリティ障害と入院治療 ほか)
著者等紹介
川谷大治[カワタニダイジ]
1980年長崎大学医学部卒業。同大学付属病院精神神経科に入局し、精神病理グループに入る。1984年福岡大学医学部精神医学教室に入局。精神分析のトレーニングを受けながら思春期・青年期患者の治療に取り組む。1997年福岡市で精神科診療所を開設、現在に至る
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