内容説明
いじめ、登校拒否など、学校における子どもの問題が大きくクローズアップされているが、同時に家庭においても家庭内暴力や児童虐待など重大な問題が急増している。これらの問題に対応を迫られる臨床家にとって、子供のこころを理解するためのきわめて有用な技法が、本書で紹介されている動的学校画・家族画システム法である。容易に取り組める課題画を用いる本法によって、子供のパーソナリティを連続的・立体的に理解することが可能となり、また家庭と学校にまたがる問題の広がりやその相互的な関係を把握することができる。子供の問題の対応と援助をすすめる上での欠くことのできない情報源となるこの技法について、その実施法、解釈法を詳しく述べた上で、多くの事例によってその臨床的有用性を示している。さらに訳者らによるわが国における実施例も収録されている。
目次
第1章 序論
第2章 施行法とスコアリング
第3章 解釈
第4章 事例研究
第5章 精神測定特性
付録 学校画・家族画の日本における適用
著者等紹介
ノフ,ハウァード・M.[Knoff,Howard M.]
南フロリダ大学(Tampa,Florida)の教育学部基礎心理社会学科、学校心理課程の助教授。以前、ニューヨーク大学アルバニー校の学校心理学科に所属、1980年にシラキュース大学から博士号を授与された。スクール・サイコロジストとして数多くの精神保健および教育プログラムに関するコンサルタントをしてきている。そして、その臨床活動は児童から青年期をもっぱらその対象としている。最近の研究上の興味は人格検査、相談過程、学校心理サービスの提供に関するものである
プラウト,H.トンプソン[Prout,H.Thompson]
ニューヨーク大学アルバニー校の学校心理学トレーニング課程の助教授。以前、バージニアのジェイムズ・マディソン大学とウィスコンシン大学マディソン校に所属していた。1976年にインディアナ大学から博士号を授与されている。臨床経験は学校、病院、精神保健現場に関するもので、治療的介入、人格検査、精神発達遅滞の研究分野に興味の中心がある
神戸誠[カンベマコト]
岐阜市民病院精神神経科臨床心理技術者、岐阜市教育相談在宅専門相談員
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