内容説明
フォーカシングは、人の心の気がかりの深い核心にすばやく寄り添うことができ、それは宗教の問題をはじめとする精神的危機状態、苦悩の極限状態など、心の深い問題を抱えた人たちの援助においてとくに大きな力を発揮する。本書は、自分探しの旅からジェンドリンの体験的フォーカシング法に出会った著者による技法としてのフォーカシングの具体的実践的指導書である。本書を読み進むうちに読者は、フォーカシングの基本的な考え方やその進め方を自然に身につけることができるだろう。危機状態にある人にとどまらず、高齢者の心のケアの場など心の援助の専門家への要請が高まるなかで、治療技法の枠にとらわれることなくどんな心理療法とも併用可能なフォーカシングの臨床的応用の広がりを予感させる貴重な一書である。
目次
意味を求めて―私の旅
魂の健やかさとフォーカシング
霊的体験を定義する
フォーカシングを通して霊性を統合する
フォーカシング的態度
適度な距離を保つこと
フォーカシングと内なる批評家
フォーカシングの6つのステップ
問いかけ
霊的プロセスとの取り組み〔ほか〕
著者等紹介
ヒンターコプフ,エルフィー[Hinterkopf,Elfie]
国際的に活躍するワークショップ指導者であり、また専門カウンセラーの資格を持ち、テキサス州オースティンで開業しています。文化人類学修士とカウンセリング心理学博士でもあります。彼女は、シカゴ大学で体験的フォーカシング法をその創始者であるユージン・ジェンドリン博士(Eugene Gendlin)から学び、20年以上にわたってフォーカシングを教えています。また、フォーカシングに関する雑誌論文も多数あります。ヒンターコプフ博士は、長年にわたって大学院レベルでのカウンセリング心理学の教育にあたっていました。国立精神保健研究所の研究企画の指導も行い、インドで平和部隊のボランティアに関わった経験も持っています。また、アメリカ・カウンセリング学会の全国レベルでの発表も行い、同学会のカウンセリングにおける霊的倫理的宗教的価値に関する研究会の助成金を受けて研究を重ねてきました。『いのちとこころのカウンセリング―体験的フォーカシング法』はその成果です
伊藤義美[イトウヨシミ]
1979年名古屋大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(教育心理学)。現在、名古屋大学情報文化学部・同大学院人間情報学研究科教授。主な著訳書に「フォーカシングの空間づくりに関する研究」「パーソンセンタード・アプローチ:21世紀の人間関係を拓く」(共編著)、「現代人の心の健康」(共著)、「フォーカシング指向心理療法下」(共訳)がある
日笠摩子[ヒカサマコ]
1985年東京大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士課程修了。現在、大正大学人間学部助教授。主な著訳書に「フォーカシング事始め」(共著)、「フォーカシング指向心理療法上・下」(監訳)、「フォーカシングガイド・マニュアル」「やさしいフォーカシング」(共訳)がある
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感想・レビュー
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