内容説明
本書は、H・エイの大作“Trait´e des hallucinations”の中でも中心をなす部分であり、エイの精神医学の体系が完成された形で表現されている。エイは、ジャクソンの思想を精神医学に適用し、神経と精神の層理論を説く。そして、フロイト、ブロイラー、ジャネら多くの先人の研究、同時代の膨大な文献を昇華し、独自の理論体系を構築した。本巻においてその幻覚モデルが理論的に詳細に展開され、「心的身体の構造と組織化」と表現される器質力動論の全貌がここに明らかになる。病理現象として、精神医学における重要なテーマである「幻覚」を解明するための最重要文献といえよう。
目次
抗幻覚的心的組織化の構築的モデル
幻覚現象のアノミー構造―幻覚の性質と定義
幻覚の自然な分類