内容説明
本書において著者は、精神分析的研究を自身の臨床経験に照らしつつ、ユング心理学の概念を通して徹底的に洗い直した。中間領域での結合体験、想像力による視覚など元型的な癒しへの道を克明に検討し、その臨床的意味と心理療法的技法を明らかにした本書には、ユング派のみならずあらゆる立場の心理療法家に新たな視点をもたらす、極めて説得力のある臨床的英知が詰め込まれている。
目次
第1章 境界性人格を体験する
第2章 自己愛性人格と境界性人格との比較
第3章 神としての人―現実歪曲と自己
第4章 投影性同一視の元型的基礎
第5章 相互作用の領域におけるサトルボディと想像上の経験
第6章 想像力、そして狂気を癒す力
第7章 『黄金のろば』にみられる受難と救済