内容説明
本書は、原著の総論部分にあたるもので、エーの器質力動論見地からの幻覚論の骨子が骨太な論理構成によって述べられており、原著のなかでもきわめて重要な部分となっている。その理論は、神経生理学、神経心理学、現象学、実存主義、構造主義、ポスト構造主義、精神分析理論など、広範な方法論を取り入れ、弁証法的に統合した壮大なものであり、また臨床に裏付けられた矛盾のない総合的概念化を目指したものである。
目次
序論(対象を欠く知覚の客体(=対象)化と幻覚論の「図解」の諸問題)
総論(幻覚現象の分析;知覚と幻覚群の関係についての一般的問題;幻覚群に関する諸見解の発展)
幻覚現象の二大カテゴリー(幻覚症性エイドリー;妄想(妄狂)性幻覚群
妄想(妄狂)性幻覚群の臨床的諸様態)