内容説明
本書はこの上なく、具体的実践的である。患者がいろいろな問題を訴えた時、治療者はそれをどのように取り上げ、理解し、介入していくか、読者は熟練した治療者の持つ臨床的視点を順を追って身に付けることができる。加えて患者の問題リストの作成と定式化、ホームワークの実施、自殺の危険性への危機介入、面接場面での対応が、数多くの事例を用いて描き出されている。急速に発展する認知療法を一つの精神療法として実践するための重要な手引き。
目次
第1章 事例定式化モデル
第2章 問題リスト
第3章 事例定式化
第4章 行動に対する介入
第5章 その他の行動に対する介入
第6章 非機能的思考
第7章 非機能的思考を変える
第8章 ホームワーク
第9章 治療関係
第10章 自殺危険性の評価と治療
第11章 治療者のための認知療法
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
orangekun
2
望ましくない結果には非合理な信念がある。 感情・行動・認知はそれぞれ独立し、互いに作用する。さらにその基底に学習した信念があり、信念から自動的に感情・行動・認知が引き出される。自分の信念は自分では分からない。ある事柄に対する行動パターンから自分の心理構造を想定し、実は自分はどう考えているのか知る。 課題をやってこない人は、 「もし失敗すれば私は失敗者だ」 「自分に価値がない。だから自分に時間を使えない」 と考える。「失敗してもただ失敗しただけで私は劣っていない」「自分には価値がある」と認識し望む結果を得る2019/06/10