内容説明
思春期妄想症の治療、破瓜病のフロイト、ラカン、ソシュールに拠っての検討、思春期妄想症の類型化試論、非定型精神病概念を青年期例にも有用とする見解、性の角度から行った境界例概念の再検討、笠原提唱のスチューデントアパシーのコフート、ラカンに拠った再検討など、概念と症例にたいする創見にみちたアプローチが展開される。後半では小学生・中学生の年代で問題にされてきた自閉症や、登校拒否や、家庭内暴力の、青年期における病態が論じられ、あるいは青年期に集中する性の病態が、とりあげられる。
目次
思春期危機―「自立」をめぐって治療が展開した2症例
破瓜型分裂病―差異の構造化の失敗
思春期妄想症の類型化に関する試論
若年発症の非定型精神病
境界例概念とsexuality
スチューデントアパシー―ナルシシズム論からの力動的理解
青年期の登校拒否―個人精神療法に関しての一考察
青年期の家庭内暴力
青年期の性の病理
自閉症の青年期