内容説明
安永理論は分裂病体験を見事に説明するが、ファントム空間短縮論は分裂病の生物学的障害を仮定している。著者は「序章」で、ラカンの「他」に拠ってそれを批判する。「理論編」では著者はまず他者としての治療者を論ずる。「症例」では、わいせつなことを口走り、自分は天皇であると語る74歳の女の誇大妄想が自閉の観点から検討される。「終章」では、『破瓜病の精神病理をめざして』を著した著者が、ラカンを破瓜病に絞って読むことで統一的に理解し、自らの分裂病研究の出発点にしようと試みている。
目次
1 序章(ファントム論をめぐって―ラカンの精神病論との差異)
2 臨床理論(分裂病者にとっての治療者という他者;「軽症分裂病」の症状論;陰性症状の精神病理学的考察)
3 症例(慢性分裂病の誇大妄想について;孫を産み続ける分裂病の老婆)
4 終章(ラカンによる「破瓜病の精神病理をめざして」の歩み)
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