内容説明
「ファントム仮説」で知られる著者の『精神医学の方法論』に続く論文集。分裂病と並んで臨床家を手こずらせているのが、境界例である。筆者は、境界例の持つ“あいまいさ”自体が「今日の社会病理と関係している可能性」を指摘し、時代の影響を受けやすい“中心気質”の考え方を提唱する。
目次
1 症状(幻覚;妄想;思考障害;自我障害;感情・意志の異常;人格変化の印象;微視的症状;巨視的観点)
2 分裂病型妄想の理論的問題点(分裂病型妄想の臨床的問題点;ファントム仮説からの接近)
3 境界例と社会病理(境界例の病像の問題点。またそれは変化したか?;社会病理との関連?;新しい考察)