内容説明
精神分裂病は、精神障害の中でも最も重篤であり、また極めて複雑、多様な症状を示すが、その分裂病者の犯罪に関して、古くからその刑事責任能力をめぐる活発な議論が、かわされてきた。本書は、『酩酊犯罪の精神鑑定』に続き、日本の司法精神医学界に多大な貢献をなしてきた著者らが、これら困難な諸問題を直視しつつ、過去30年間における鑑定例に子細な検討を加えた、注目すべき鑑定例集である。
目次
1 概説(当教室の分析資料について;精神分裂病者の責任能力について)
2 鑑定例
3 精神分裂病者の犯罪と予防
4 被害者についての考察