内容説明
本書では、各地域の棚田の現状と保全の取組みについて、単に景観的な記載を行うだけでなく、行政担当者や地元農家の方たちから維持管理の苦労や取組みのむつかしさなどの聞取りを行い、その実態を紹介することにより、多くの人に棚田に関心をもってもらい、支援の輪が広がるよう心がけた。さらに関心を持った人が現地を訪ねる際の案内書としても役立つように、棚田地区のみを取り上げるのではなく、よく知られている場所を出発点として書き始め、利用する交通機関や道路の号線などもできるだけ記載した。また、周辺地域から述べることにより、連続した地域としての棚田地区に抵抗なく入って行くことができるように配慮した。
目次
山形県大蔵村四ケ村―東北一の景観
千葉県鴨川市平塚―東京から一番近い棚田・大山千枚田
長野県白馬村青鬼―北アルプスを望む桃源郷
長野県千曲市姨捨―国の名勝指定をうけた田毎の月
長野県中条村大西・栃倉・田沢沖―虫倉山に抱かれる御山里
長野県飯山市福島―映画「阿弥陀堂だより」の舞台
静岡県天竜市大栗安―棚田と茶畑がつくる美しさ
静岡県松崎町石部―富士山が見える棚田
新潟県高柳町磯之辺―頚城の名山黒姫の棚田
新潟県下田村北五百川―粟ケ岳を神と仰ぐ〔ほか〕
著者等紹介
中島峰広[ナカシマミネヒロ]
早稲田大学教育学部教授。学術博士。1933年宮崎県生まれ。早稲田大学教育学部地歴科卒。開成学園教諭を経て現職。畑地潅漑・棚田関連の論文多数。棚田学会副会長。全国棚田(千枚田)連絡協議会会員。NPO法人棚田ネットワーク代表。「日本の棚田百選」の選定委員
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