内容説明
既存の在来工業研究からは、その産業に従事し、その地域に暮らす人々の姿がはっきりとは見えない。工業の仕組みがわかったところで、地域のことがわかったことになるのであろうか?在来工業と地域の接点はどこにあるのだろうか?在来工業の研究は、子どもの時に著者が抱いた疑問に答えうるのだろうか?著者はこれらの疑問を解明するべく、修士論文以来、おもに石川県輪島市の輪島漆器業と富山県井波町の井波彫刻業を対象に研究を続けてきた。本書は、それらの成果をまとめたものである。
目次
第1部 在来工業地域総論(序論;近年における在来工業地域の全国的動向)
第2部 石川県輪島市における漆器業の存続・発展(輪島漆器業の発展;徒弟制の存続と生産地域の拡大;インキュベータ地域の存在 ほか)
第3部 富山県井波町における彫刻業の地域的役割(井波彫刻業の創造;職人の育成と作家の誕生―人材養成の地域システム;井波彫刻業が演出する観光地の景観)
結論
著者等紹介
須山聡[スヤマサトシ]
1964年、富山県富山市に生まれる。1992年、筑波大学大学院地球科学研究科単位取得退学。博士(理学)。現在、駒沢大学文学部地理学科地域文化研究専攻助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。