出版社内容情報
「開発=資本を投下して経済成長を促すこと」から「現地の人々が幸福を追求するために主体的に関与しうる開発」へ。この新しい開発観を実践する中で人類学者が果たすべき役割とは。援助機関と現地の社会・人々をつなぎ、現地の声を代弁し(アドボカシー)、地域の主体性や多元的価値に基づく共生的社会をめざす「開発人類学」の再構築に向けて、これまでの論点を整理するとともに、パラグアイやソロモン諸島、ラオス、インドネシア、日本などにおける実践例を紹介する。
[執筆者]
関根久雄 (はじめに、第2章、第3章、第4章、第10章、おわりに)
真崎克彦 (第1章)
湖中真哉 (第5章)
関谷雄一 (第6章)
花谷 厚 (第7章)
小國和子 (第8章)
藤掛洋子 (第9章)
箕曲在弘 (第11章)
寺内大左 (第12章)
早川 公 (第13章)
【目次】
はじめに
Ⅰ.「良い変化」としての開発
Ⅱ.各章の紹介
第Ⅰ部 開発人類学を再考する
第1章 共生社会づくりの開発論-「内外」をつなぎ直す多元的価値の視点-
Ⅰ.はじめに-共生の大切さ
Ⅱ.開発論-「内外」をつなぎ直す歴史
Ⅲ.脱開発論-開発論の「外」に出る試み
Ⅳ.まとめ-「多元的価値論」に向けて
第2章 開発人類学の源流-実用的・応用人類学とは何だったのか-
Ⅰ.フィールドワークと文化相対主義-人類学の「応用」の前提
Ⅱ.イギリス実用的人類学:「無理のない」変化の限界
Ⅲ.アメリカ応用人類学:同化と戦争への邁進
Ⅳ.非対称な「橋渡し」
第3章 開発人類学の逡巡
Ⅰ.「応用」からの撤退
Ⅱ.「応用」としての開発人類学
Ⅲ.アドボカシー=開発人類学
第4章 創発的協働としての開発人類学
Ⅰ.「理論」と「応用」の不可分性-状態としての開発人類学へ
Ⅱ.地域社会に「降りてきた」開発-脱成長・内発的発展・住民参加
Ⅲ.創発的協働とアドボカシー
第Ⅱ部 開発における人類学的思考
第5章 遊牧民に学んで開発を転換し、世界を繋ぎ直す-不確実性学派の挑戦-
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.遊牧民と放牧地における開発とその失敗
Ⅲ.遊牧民は伝統文化に固執して開発を拒絶してきたか?
Ⅳ.遊牧民の開発の在り方の転換
Ⅴ.おわりに
第6章 異文化に寄り添うための思考法-海外ボランティアを志す人へ-
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.異文化適応のイメージ
Ⅲ.異文化適応の理論
Ⅳ.異文化適応の具体的行為
Ⅴ.身体行動・アフォーダンス
Ⅵ.文化と価値・「好き」と「平気」
Ⅶ.異文化と向き合い思考する
Ⅷ.開発実践における人類学的思考と行動
Ⅸ.黒子に徹した開発人類学
第7章「利用者」から見た開発人類学再考-成果重視の時代における開発協力と人類学-
Ⅰ.問題意識と視点
Ⅱ.開発協力と人類学(者)との接点を巡る議論
Ⅲ.日本の開発協力を取り巻く環境の推移
Ⅳ.JICAにおける支援戦略・案件種別の変化
Ⅴ.考察
Ⅵ.まとめと今後の展望
第Ⅲ部 開発人類学の実際
第8章 開発現場における「支援とわたし」の相対化-他者への想像力が切望される時代に-
Ⅰ.開発×文化人類学を支援の現場から考える
Ⅱ.国際協力現場に臨む姿勢としてのフィールドワーク
Ⅲ.「実務者のわたしが書くこと」を巡る気づき
Ⅳ.おわりに-何がどのように「つながる」のか
第9章 パラグアイ「農村女性」と夢を紡ぐ-理論と実践の往還を通して-
Ⅰ.はじめに
Ⅱ.パラグアイにおける国際協力プロジェクト
Ⅲ.JICA草の根技術協力事業の実践を通し



