目次
問題の所在
第1部 都市祭礼の重層性(小倉祇園太鼓の歴史と現在;地域伝統の継承と社会化;地域伝統の生成―文化創造の場としてのボランタリー・アソシエーション;象徴としての地域伝統―神社と企業の連携;都市行政からみた地域伝統―行政による制度化と再創造)
第2部 ライフヒストリーからみた地域伝統(ライフヒストリーからみた文化動態)
第3部 都市における文化の動態(語りをめぐるダイナミズム;「正当性」と「正統性」をめぐる葛藤;ライフヒストリーに現われる二つのストーリー;生成される記憶)
「場所」としての都市
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゲニウスロキ皇子
2
修論で大いに参考にした本です。相当な力作だと思います。祭りを担う組織だけでなく、商業施設などの周辺組織にも足を運び行った長年の調査結果である本書の記述は間違いなく「厚い」ものであるといえます。また、「都市」は人類学的研究にとっては方法論上の鬼門とさえいえる難所でありますが、個人のライフヒストリーにフォーカスを当てる筆者の方法により、都市の生きられた姿を生々しく浮かび上がらせてくれます。これから祭礼研究や人類学的な都市研究をするのであれば、ぜひとも参考にしてほしい本ですね。2011/11/11