内容説明
大井川の運んだ砂利や砂が、大井川平野や牧ノ原台地をつくった。その上に都市の家並みや工場、田畑がある。豊かな森林には下流に「木の都」や紙、パルプ工場を栄えさせた。こうして下流の町は発展した。発展すると人手は足りなくなり、下流の都市や工場は上流の人々を奪った。上流で生みだされた資本も、下流の都市に投下された。そうして今、広域上水道や近代的スプリンクラー農場や発電のために、最後の一滴の水をしぼりとるようにダムが建設されている。上流域になにが残されたか。ダムによる河床の上昇によって、住民は洪水に生命の危機を感じている。川を目の前にして、井戸が涸れて飲み水に事欠く。そんな大井川を追い、人々の暮らしを追って12年、ここに本書を世に問う。
目次
第1章 木材で栄える
第2章 電気に変わった水
第3章 政策のなかの大井川
第4章 下流で役立つ水
第5章 川に水がなくなって
第6章 苦悩する水源地
第7章 長島にダムができる
第8章 “よみがえれ大井川”
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