内容説明
弱層テストの方法、埋没したさいの対策が豊富な図入りでていねいに紹介され、説得力が抜群である。本書は登山の世界に最も近い距離にある雪崩の本といえる。
目次
1 豪雪のさ中で
2 アルプスの暮らし
3 地球は雪崩れる
4 雪崩と森林のダイナミズム
5 雪山に魅せられた人々へ
6 雪崩の避け方と埋没者の捜索
7 雪崩の世界NOW
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふたば
6
ヨーロッパの雪崩対策が進んでいる理由は、戦争にある。山岳戦が重要な作戦になるスイスやオーストリア、イタリアなど、アルプスを擁する国々は、雪崩をも戦略として利用する。だから、山を、雪を知り尽くそうとする。日本では、山は信仰の場である。修行の場である。戦場になどならないし、誰彼構わず入り込む場所でもなかった。いきおい雪崩に関しての考え方も、対策の仕方も変わってくる。山自体も、雪質も風も何もかもが欧州と日本では異なる。日本独自の日本の山にあった対策をする必要があるとよくわかる。2019/02/14