内容説明
ある冬の夕方ダイアナの家にとつぜんやってきた大きな大きなサイ。おまけにそのサイはひどいかぜをひいていました。ダイアナはひとりサイの看病をはじめます。それが、ダイアナとサイとの長い長いつきあいのはじまりでした。すこしもかわることのないきずなでむすばれた、サイと女の子のものがたり。
著者等紹介
アーディゾーニ,エドワード[アーディゾーニ,エドワード][Ardizzone,Edward]
イギリスを代表する絵本作家。1900年、ベトナムで生まれ、5歳のときイギリスに渡る。事務員として働いた後、1926年、プロの画家として独立。1956年、ケイト・グリーナウェイ賞を受賞。1970年、ロイヤル・アカデミー会員に選ばれる。挿絵画家としても高い評価を受けており、数多くの美しい本を残している。1979年11月没
阿部公子[アベキミコ]
1948年、神戸市に生まれる。上智大学文学部英文学科卒業。現在は、(財)東京子ども図書館勤務
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感想・レビュー
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ヒラP@ehon.gohon
38
突然家の部屋から大きなサイが現れたら、当然の大パニックですが、サイの優しい心を読みとった子どもたちの純真さに心ひかれました。 大人たちの常識にとらわれないで育っていく子どもと、ともに生きていくサイとの信頼関係に、大切な何かを感じます。 奇想天外だけど落ちついた作品でした。2021/08/19
ワッピー
33
文京の名店クネーテンで読了。平和な家庭に突如侵入したサイに両親は気絶するも、サイのことなら何でも知っている(なぜ?)ダイアナは看病しバタートーストを振る舞う。動物園から駆けつけたダメ男たちを撃退したダイアナはサイを庭において(ダリア食うな!)末永く幸せに暮らしましたとさ。アーティゾーニの絵で描かれる大人の事情のてんやわんやと、肝の据わったダイアナの対比もおかしい。本を片手においしいブレックファーストや午後をのんびり楽しみたい人にクネーテンはおススメ…じゃなくて、サイとダイアナの息の長いおつきあいに乾杯!2023/09/16
シュシュ
33
アーディゾーニが文も絵もかいている。絵が味わい深くて、やっぱりアーディゾーニはいいなあと思う。最初の暖炉の前で家族でくつろいでいる場面、ダイアナが暖炉でパンをあぶってトーストを作っている場面、警察が家に入ってきた頁のダイアナの表情が特に印象的。少女のダイアナはもののわかった子どもで、その弟の赤ちゃんもものわかった赤ちゃんだった。サイとダイアナがこんなに仲良くなるとは、驚きの展開だった。いい本だった。2019/02/22
sui
31
ある冬の夕方、ダイアナの家に突然やってきた大きなサイ。両親は怯え慌てふためくが、ダイアナは具合いの悪いサイの世話をする。そして、連れ戻そうとやって来た動物園の人達が向けてきた銃の前に立ちはだかった・・・。流れる歳月。でも揺るがなかった「サイは私が守る」というダイアナの気持ち。命のある動物と暮らすことの責任を、静かに、でも確かに訴えてくる絵本。忘れられない一冊になりそうです。2017/07/31
Cinejazz
24
〝ここは、リッチモンドのクイ-ンズ通り43番地。 ある日の夕方、風邪をひいた<大きなサイ>がジョ-ンズ家にやって来ました!・・・ 一人懸命に看病をする<少女ダイアナ>。動物園から逃げ出したサイは、動物園に戻ることを拒否。 その日から、ジヨ-ンズ家の裏庭の物置で暮らし始めました・・・〟生涯を通じて変わらぬ絆で結ばれた 「ダイアナとサイ」のホノボノとした絵と語りの物語絵本です。🦏👧2024/04/16