内容説明
ヘンダーリーン、ノヴァーリス、リルケの衣鉢を継ぐ詩人が、生と死に問いかけ、ポエジーの本質を、声の深層、言語の音楽的根源としての光に置くにいたる探求の書。
目次
『冬の光に』(「教え」;「下方からの歌」;「冬の光に」)
『雲の下の想い』(「見える」;「雲の下の想い」;「歓びと言う語」;「ある若い母へ」;「亡き友への哀歌」 ほか)
著者等紹介
後藤信幸[ゴトウノブユキ]
1930年大分県竹田市に生れる。慶応義塾大学大学院修士課程修了(仏語・仏文学専攻)
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感想・レビュー
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いやしの本棚
11
「日々の生活から離れない」詩の言葉は、絶望と希望を往復しながら、なお生を、死を肯定していた。「臆病な魂」が、「光」と「冷気」の間で「引き裂かれ、根こそぎにされ」るとしても、「私たちは引き裂かれた網目を/一つまた一つと 繕うことができる」と。「死が/尽きることなき光の糧であらんことを。」と歌った時、詩人にとって死は遠かった。けれども近親者の死、自らの老いと対峙し、詩人は「ふたたび 私は語のなかで迷う」と告白する。何度でも「光」に近づいたと思い、またも「冷気」にとらえられるのが「生の現実」だろうと思う。2018/10/08
ぞしま
6
息の長い詩が連綿と連なり、言葉とイメージが、周遊していく。好みの詩集だった。 あんまり読まれていないようで、著者の情報も見当たらないのが、残念。2020/11/30
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- 和書
- 遥かサハリン島