内容説明
本書の主題は、ナンセンスの可能性の条件、すなわちナンセンスがなんでありうるかについて考察することにある。論理学および数学の哲学の技術的な部分、数学的実在論の問題や、この問題に対しカントやフレーゲやゲーデルがそれぞれいかなる立場をとったかも重視した。ナンセンスを排除するための手段、哲学からナンセンスを排除するための手段を見いだすことに最大の関心を払う論理学者や哲学者の観点とは異なる、より「文学的」でより肯定的な観点からもナンセンスを考察している。
目次
1 非論理的に考えることはできるのか
2 論理学の命題はなにかを扱っているのか
3 フレーゲを「プラトン主義者」と呼ぶのは誤りか
4 ナンセンスはいかにして可能なのか
5 ナンセンスについての自然な考え方と別の考え方
6 語が意味することと、われわれが言おうとすること
7 深遠でためになる哲学的ナンセンスは存在するのか
8 可能でないものは記述されることもできない
9 不可能なことを言おうとするのは可能か
10 「意義立体」の観念とナンセンスの「メカニズム」
11 ナンセンス、ゲーム、イロニー、哲学
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